女性鍼灸師が解説!月経周期で変わる体・心・肌|女性ホルモンとツボまとめ

女性の生理(月経)は、毎月ホルモンバランスや体温が変化するため、心や体の調子がゆらぎやすくなります。
本記事では、月経周期を4つの時期に分けて、それぞれに起こりやすい体・心・肌の変化とおすすめのツボをご紹介します。
さらに、ご自宅で簡単にできるお灸セルフケアも解説し、毎月の不調をやわらげるヒントをお届けします。
もくじ
月経周期と心身の変化
月経周期に合わせて分泌される女性ホルモンは、体・心・肌に大きな影響を与えます。
まずは周期ごとの特徴を知ることが、セルフケアや不調対策の第一歩です。
下の表では、それぞれの時期の特徴とおすすめのツボをまとめています。
スマートフォンでは、表を左右にスワイプしてご覧いただけます。
| 月経中 | 排卵前 | 排卵後 | 月経前 | |
|---|---|---|---|---|
| 体 | 腹痛、腰痛、吐き気、むくみ。体温低下で血行が悪化。 | 体調良好で動きやすい。自律神経が整いやすい。 | むくみ、便秘、肩こり。下腹部が重く感じる。 | むくみ、乳房の張り、便秘。眠気や不眠が出やすい。 |
| 心 | 気分が落ち込みやすい。終わり頃に回復。 | 明るく前向き。精神的に安定。 | 気分の起伏が激しくなる。 | イライラ、やる気低下。暴飲暴食になりやすい。 |
| 肌 | 吹き出物が治りにくい。しみ・くすみ・くまが出やすい。 | 調子が良くハリツヤあり。化粧のり良好。 | 不規則生活で肌荒れ。保湿力は高め。 | 肌荒れ、毛穴目立ち。くすみ・くまが出やすい。 |
| ツボ | 三陰交(さんいんこう) 血海(けっかい) |
三陰交(さんいんこう) 関元(かんげん) |
三陰交(さんいんこう) 足三里(あしさんり)・気海(きかい) |
三陰交(さんいんこう) 太衝(たいしょう) |
月経中(生理中)
月経中は、生理痛や吐き気、下着の蒸れなどの不快感も加わり、憂鬱な1週間になりやすい時期です。気分も落ち込みやすく、神経質になりがちです。
胃がムカムカしつつも食欲が増したり、肌荒れが起こりやすくなります。この時期は女性ホルモンを整え、血を補うツボがオススメです。
おすすめのツボ
- 三陰交(さんいんこう)
- 内くるぶしから指4本分上がったところ

- 血海(けっかい)
- 膝のお皿(内側)から指3本分上がったところ

排卵前
月経が終わる頃から排卵前は、心身ともに最も体調が良い期間です。肌の調子もよく、精神的にも安定していて前向きな気分で過ごせます。
新しいことにチャレンジしたり、化粧品を変えるのもおすすめです。排卵に向けてエネルギーを蓄えるツボを活用しましょう。
おすすめのツボ
- 三陰交(さんいんこう)
- 内くるぶしから指4本分上がったところ

- 関元(かんげん)
- おへそから指4本分下がったところ

排卵後
排卵後は体が受精卵を迎える準備をするため、下腹部に重みや違和感を感じることがあります。
大きな肌トラブルは起こりにくいですが、皮脂分泌が多く、生活習慣が乱れると吹き出物ができやすい時期です。子宮や骨盤内の血流を良くするツボがおすすめです。
おすすめのツボ
- 三陰交(さんいんこう)
- 内くるぶしから指4本分上がったところ

- 足三里(あしさんり)
- 膝の外側のくぼみから指4本分下がったところ

- 気海(きかい)
- おへそから指2本分下がったところ

月経前
月経前は、イライラ・食欲増加・強い眠気や不眠など心身ともに不調が多く、皮脂分泌の増加による吹き出物やむくみも起こりやすい時期です。
この時期は血や水の巡りを良くし、自律神経を整えるツボがオススメです。
おすすめのツボ
- 三陰交(さんいんこう)
- 内くるぶしから指4本分上がったところ

- 太衝(たいしょう)
- 足の親指と人差し指の骨が交わるところ

お灸をやってみよう

生理周期に合わせてツボにお灸をすると、血流改善や自律神経の調整に役立ち、月経前後の不調をやわらげる助けになります。自宅で手軽にでき、リラックスや冷え・むくみ対策にもおすすめです。
はじめての方はここから

- 熱さがやさしいソフトタイプのお灸を選ぶ
- 煙が苦手な方は煙少なめ/無煙タイプ
- 貼って使えるシールタイプは位置合わせが簡単
■ お灸についてもっと知りたい方へ
基本の手順(共通)

- ツボの位置を確認(表の「ツボ」行を参照)
- 皮膚が乾いた状態でお灸を置く
- 熱さを感じたら無理せず取り外す(目安:1~3壮)
- 施灸後は軽く保湿して休む
安全に続けるための注意
- 空腹時・食後すぐ・飲酒直後は避ける
- 発熱・体調不良・皮膚炎部位は行わない
- 熱さや痛みを我慢しない(低温やけどに注意)
- 妊娠の可能性がある場合は必ず事前に相談
タイミングの目安
目安として、排卵前~排卵後は体調サポート、月経前はイライラやむくみ対策、月経中は無理のない範囲で温めケアを行いましょう。
ツボの位置や回数は体質で調整が必要です。迷ったら当院でお気軽にご相談ください。
まとめ
エストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモンの分泌量やバランスの変化により、1回の月経周期で体調は大きく変わります。
特に排卵後から月経前の2週間は、精神的に不安定になりやすく、仕事や日常生活にも影響が出やすい時期です。
ホルモンバランスによるものだと理解し、無理をせず過ごすことが大切です。
また、各時期に合わせたツボを指圧したり、お灸を取り入れることでホルモンバランスが整いやすくなります。
















