逆子にお灸がおススメな理由

逆子とわかったとき、「ちゃんと戻るのかな?」、「帝王切開になるかも…」と、いろんな思いが頭をよぎりますよね。そんなとき、ふと「お灸がいいらしい」と耳にすることもあるかもしれません。
実は、当院でも「お灸を受けたら赤ちゃんが元気に動き始めた!」、「施術の後、自然に逆子が戻った!」という嬉しい声がたくさん届いています。
お灸は、心地よい温かさで体を整え、赤ちゃんにも優しい刺激を届けるケアです。逆子と向き合う時間が少しでも穏やかになるお手伝いができたら嬉しいです。
逆子で気になったら、ぜひ一度、「逆子のお灸」を試してみてくださいね。
もくじ
逆子とは何か?
逆子(さかご)とは、赤ちゃんの頭が下ではなく、上にある状態のことをいいます。
通常、赤ちゃんは子宮の中で頭を下にして足を上にする「頭位(とうい)」という姿勢になりますが、逆子の場合はこれが逆になっています。
医学的には逆子のことを「骨盤位(こつばんい)」といい、赤ちゃんの頭が横向きの場合は「横位(おうい)」と呼ばれます。
妊娠中期には赤ちゃんが元気に動き回るので、逆子になることも珍しくありません。そして、多くの場合、妊娠後期になると自然に頭を下にして「頭位」に戻ることがほとんどです。
赤ちゃんがどんな姿勢でいるのかを知るのも、妊娠中の楽しみのひとつですよね!
東洋医学から見た逆子とは?
東洋医学では、逆子の原因を「陰陽のバランスの崩れ」と考えます。
赤ちゃんの頭は「陽」、足は「陰」とされ、このバランスを整えることで逆子の改善が期待できるのです。
バランスを整えるために、以下の2つの改善ポイントがあります。
① 冷え
体が冷えることは逆子の大きな原因のひとつとされています。
特に下半身が冷えると、赤ちゃんが温かい方へ頭を向けようとして逆子になりやすくなります。
お灸や体を温める習慣を取り入れることで、冷えを改善できます。
② 水分の滞り
食べ過ぎや水分の摂りすぎで体内に水分が溜まると、水滞(すいたい)と呼ばれる状態になります。
この水滞が原因で赤ちゃんが上に押し上げられ、逆子になると考えられています。
お灸や軽い運動で体内の余分な水分を排出すると効果的です。
東洋医学の視点で体を整え、赤ちゃんが動きやすい環境を作ってあげましょう!
逆子に効果的なツボはどこ?
逆子のお灸として有名なツボは2つあります。
「至陰しいん」と「三陰交さんいんこう」です。
①至陰しいん
足の小指の爪の生え際の外側に位置します。

②三陰交さんいんこう
足の内くるぶしから指4本分上がったところで、脛骨の骨際に位置します。

これらのツボにお灸をすると、熱刺激が子宮に伝わり、血流がよくなり子宮が温まるので赤ちゃんが動きやすくなります。お灸をしている時に妊婦さんに赤ちゃんが動いているかも確認します。
逆子にお灸がおすすめな理由

お灸で逆子ケアが期待できる理由をご紹介します!
◇胎動を促す
お灸で「至陰(しいん)」や「三陰交(さんいんこう)」といったツボを刺激すると、赤ちゃんがよく動くようになります。
動きが活発になると子宮内にスペースができて、赤ちゃんが回転しやすくなるとされています。
その結果、逆子が自然に改善される可能性が高まります。
◇子宮筋の緊張をほぐす
お灸には血流を良くする効果があり、子宮の筋肉の緊張を和らげてくれます。
これによって、赤ちゃんが自由に動ける環境が整い、頭を下にした「頭位」に戻るサポートになります。
◇冷えの改善
妊娠中は足元が冷えることが多く、冷えが逆子の原因になることもあります。
お灸で体を温めると血流が良くなり、冷えが解消されます。これも逆子改善の一助になると考えられています。
◇高い改善率
研究では、逆子の治療にお灸を使った場合、89.9%が改善したというデータもあります。
多くの妊婦さんが、お灸によって逆子を改善した実績があるんです。
◇安全性が高い
お灸は体に負担が少なく、安全性が高い治療法です。副作用がほとんどないため、妊娠28週から34週の間に行うのが特におすすめです。
このような理由から、お灸は逆子を改善するのにとても効果的な方法とされています。
特に早めにお灸を始めることで、改善の可能性がさらに高くなると言われています。
もし逆子と診断されたら、できるだけ早く専門家に相談してみましょう!
逆子のお灸はいつすると良いのか?

妊娠28週以降に逆子と診断された場合は、できるだけ早くお灸を始めることをオススメします!
鍼灸院では、週に1~2回のペースで逆子のお灸を受けていただきます。
さらに、ご自宅でもお灸を続けていただくことで、より効果が期待できます。
ご自宅での逆子のお灸を行うタイミングは、夜寝る前がオススメです。
【寝る前にお灸をするメリット】
◇リラックス効果:妊婦さんがリラックスしていると、赤ちゃんが動きやすくなり、逆子が戻る可能性が高まります。
◇血流の改善:お灸をすることで体が温まり、血流が良くなります。これにより子宮への血流量が増え、子宮の筋肉がほぐれて赤ちゃんが動きやすい環境が整います。
寝る前のリラックスタイムに、お灸で体を温めながら赤ちゃんと向き合う時間を作ってみてくださいね。
逆子のお灸の副作用は?
逆子のお灸は、基本的に安全な方法とされていますが、いくつかの副作用が報告されています。
【主な副作用】
軽い水ぶくれや色素沈着:お灸をした部分に起こることがありますが、ほとんどが軽度で治ります。
低温やけど:まれに発生しますが、適切に施術を受ければリスクはほとんどありません。
お灸を安全に受けるためには、専門家の指導を受けることが大切です。
逆子のセルフお灸のススメ
逆子のお灸はお母さんご自身でもすることができます。
当院は逆子に効果的なツボの場所をお伝えし、印をつけます。またお灸のやり方も説明します。
詳しくは→ セルフお灸のやり方とおススメのツボ
まとめ
逆子のお灸は全身や子宮の血流が良くなり、子宮の筋肉の緊張を和らげることで、おなかの中の赤ちゃんが動きやすくなる効果があります。その結果、赤ちゃんが自然に頭を下に向ける可能性が高まります。特に、妊娠34週目までに施術を受けると、改善率が高いとされています。
逆子のお灸は、鍼灸院で週1~2回行いますが、さらに、ご自宅でもお母さんがリラックスしている状態で行うとおなかの赤ちゃんも回りやすくなります。
お灸は、体の冷えを改善して全身の血流が良くなるため、赤ちゃんが快適に過ごせる環境づくりにもつながります。
もし、逆子と診断されたら、できるだけ早く専門家に相談してみましょう!!
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この記事を書いた人

鍼灸師 大平洋子 (おおひら ようこ)
中国鍼灸院 箱嶌医針堂にて美容鍼・女性疾患などを主に担当している。
健康になりながら、美しくなっていただけるように鍼灸治療を行っています。
より多くの方に鍼灸の素晴らしさを知って頂きたいと思っています。
鍼灸や美容に関するブログを書いています。

