後ろに引っ張られるような「めまい」と鍼灸治療

この記事では、耳や脳の異常がないのに感じる「後ろに引っ張られるようなめまい」について、原因となる首や自律神経の不調を解説し、鍼灸による改善方法を紹介します。首こり・肩こりに伴うめまいでお悩みの方に役立つ内容です。
もくじ
後ろに引っ張られるようなめまいの特徴
一般的な回転性のめまいとは異なり、次のような特徴があります。
- 体が後方へ引っ張られる感覚があり、立ち上がる・歩くときに不安定さを感じる。
- 後頭部や首の重だるさ・張りを伴い、首こり・肩こりを感じることが多い。
- 左右どちらか一方に引かれる感覚があり、片側の筋肉の緊張が関与する。
- 回転ではなく浮遊感やバランスの崩れを感じる。
- ストレスや疲労、睡眠不足など自律神経の乱れで悪化しやすい。
- 耳鼻科・脳の検査で異常がなく、首や肩の筋緊張・血流低下が原因のことが多い。
このようなめまいは、首や肩の筋肉のこりや自律神経の乱れが関係しており、鍼灸治療による改善が期待できます。
後ろに引っ張られるめまいの原因
「後ろに引っ張られるようなめまい」は、耳や脳の異常ではなく、首や肩の筋肉の緊張、そして自律神経の乱れが深く関係しているケースが多く見られます。
- 首や肩の筋肉のこり:後頭部から首にかけての筋肉(後頭下筋群)の緊張が強くなると、頭の重心バランスが崩れ、引っ張られるような感覚が起こります。
- 左右差のある筋緊張:「左後頭部に引っ張られる」と感じる方は、左側の筋緊張が強く、アンバランスがめまい感を生じさせます。
- 自律神経の乱れ:ストレスや緊張で交感神経が優位になると血流が悪化し、筋肉のこりとめまいが悪化します。
このように、「後ろに引っ張られるめまい」は首や肩の筋緊張と自律神経の不調が重なって生じることが多く、鍼灸治療でこれらのバランスを整えることで改善が期待できます。
引っ張られるめまいの鍼灸治療
「後ろに引っ張られるようなめまい」は、首・肩のこりと自律神経の乱れが原因となることが多いため、鍼灸ではこの2つを中心に整えていきます。
① 首・肩こりの改善
後頭部から首にかけての後頭下筋群がこり固まると、バランスを崩しやすくなります。特に片側の緊張が強いと、押すと痛みや重さを感じます。
鍼灸では、筋肉を緩め血流を促進し、首や後頭部の緊張を和らげて引っ張られる感覚を軽減します。

② 自律神経のバランスを整える
ストレスや疲労で交感神経が過剰に働くと、血流低下や緊張が続きます。鍼灸は血流を整え、心身をリラックスさせることで自律神経の働きを正常化します。

首・肩の筋緊張と自律神経の乱れを同時に整えることで、「後ろに引っ張られるようなめまい」の根本改善を目指します。
詳しくはこちら → めまいの鍼灸治療
後ろに引っ張られるめまいの鍼灸治療(30代・女性)
30代女性。数週間前から「左後ろに引っ張られるようなめまい」を感じ来院。耳鼻科・脳神経外科では異常なし。長時間のデスクワークで首肩のこり、目の疲れ、睡眠の浅さを訴えていました。
触診では左後頭部から首の筋肉が強く緊張しており、これがバランスの崩れを招いていました。また自律神経の乱れも見られたため、首肩のこり緩和と自律神経調整の鍼灸を実施。
- 首・肩のこりを和らげ血流を改善
- 手足のツボを使い自律神経を整える
3回目には「引っ張られる感じがだいぶ減った」と実感。5回目にはほぼ消失し、現在は月1回のメンテナンス通院で安定しています。
耳や脳の異常がないめまいも、首や肩のこり・自律神経の乱れが原因であることが多く、鍼灸での改善が期待できます。
まとめ
後ろに引っ張られるようなめまいは、耳や脳ではなく首や自律神経の不調が原因であることが多いです。鍼灸で首肩の緊張をゆるめ、血流と自律神経を整えることで根本的な改善が期待できます。














