PMDD(月経前不快気分障害)への鍼灸治療

PMDDとは
PMDDとは、月経前不快気分障害というものです。
生理前に、イライラして怒りっぽくなる、抑うつ、不安や緊張、情緒不安定など精神面での症状が主体で現れる症状のことです。
はっきりとした原因はわかっていませんが、下記の4つが主な原因ではないかと考えられています。

- ホルモンの変動
黄体ホルモンが増えるタイミングで体調が崩れる人が多いため、内部環境の変化で症状がきつくなるのではないかとされています。 - セロトニンの関与
幸せホルモンと言われる「セロトニン」が生理前になると分泌量が減少します。これによりイライラや鬱々、不安感、痛みを感じやすくなるなど精神状態に影響し、症状が増長します。 - 生活習慣
暴飲暴食や偏食、運動不足、睡眠不足など日常生活の不摂生によるものです。 - ストレス
仕事や学校での人間関係など、ストレスが関係していると考えられています。
他にもマグネシウムやカルシウム不足なども影響していると言われています。
精神面の症状がかなり大きいため、外出もままならず会社や学校を休むなど、日常生活にまで支障をきたすこともあります。
PMSとPMDDの違い

◎PMSとは、月経前症候群と呼ばれるもので、月経前に身体と精神面に不調をきたす状態です。主な症状に生理痛のような腹痛や腰痛、頭痛、めまい、体のだるさ、乳房の張り、むくみ、吹き出物、イライラ、情緒不安定などがあります。
◎PMDDとは、PMSの中でも精神症状が特に強い重症型をいいます。とくに怒り・イライラ、抑うつ、不安・緊張、情緒不安定の4つの精神症状が強く、抑うつ障害群のカテゴリーに含まれます。そのためPMSとは区別されています。
生理前にひどくイライラしたり落ち込んだりする方は、PMDDの可能性が高いです。
PMSもPMDDも月経が開始してから数日で症状がなくなることが特徴です。
PMDDへの鍼灸治療
PMDDの症状は、月経前症状として主に精神症状が現れることが多いため、鍼灸治療で自律神経を整える施術を行い症状を緩和します。身体の症状も出ている場合はそれも併せて施術していきます。
鍼をすると副交感神経というリラックスする神経作用が優位に働くので、こういったPMDDのような症状でお悩みの方には特にオススメです!

おすすめのツボ
PMDD症状の緩和には、足の甲にある「太衝(たいしょう)」というツボがオススメです。
親指と人差し指の間のVの字のくぼみにあります。

「太衝」はストレス緩和に有効なツボです。血のめぐりをよくしてくれるので精神面だけでなく生理痛や頭痛、めまいなど身体の不調にも効果があります。
まとめ
PMDDとは、月経前不快気分障害というものです。
PMS(月経前症候群)の中でも精神症状がとくに強く出るものをPMDDと呼びます。イライラや抑うつ、不安感、情緒不安定などが月経前に現れ、ひどい場合は日常生活にも影響を及ぼします。
ただし、PMSもPMDDも生理が始まると数日で治まるのが特徴です。
原因ははっきりしていませんが、ホルモンの変動、セロトニン、生活習慣、ストレスなどが関与していると考えられます。
PMDDは精神症状が強いため、リラックス効果のある鍼灸治療は特にオススメです。
生理前のつらい症状を鍼灸施術で心身ともに整えていきましょう!