脇コリの原因と治し方|効くツボと鍼灸を鍼灸師が解説!
この記事では、脇コリの原因やセルフチェック方法、効果的なツボと鍼灸での改善方法について詳しく解説していきます。
もくじ
「脇コリ」とは?
脇の下の筋肉が、首こりや肩こりと同じように硬くなっている状態を「脇コリ」といいます。
脇の下の筋肉は肩甲骨まわりや腕とつながっており、これらの可動域が狭くなることで脇にも影響が及びます。
脇コリの原因となる主な筋肉
- 小円筋(しょうえんきん)
- 大円筋(だいえんきん)
- 棘下筋(きょっかきん)
- 棘上筋(きょくじょうきん)
- 肩甲下筋(けんこうかきん)
肩甲骨の可動域が狭くなる主な原因
肩甲骨や脇がこる主な原因は、「動かさなすぎること」です。
たとえばデスクワークなど、長時間同じ姿勢でいると、肩甲骨だけでなく腕や首もほとんど動かさなくなります⚡ これが原因で筋肉が硬くなり、可動域が狭くなってしまいます。脇の下の筋肉は肩甲骨まわりの複数の筋肉と連動しているため、同じように脇の筋肉も硬くこっていくのです(>_<)
これが「脇こり」のメカニズムです。
使いすぎによる脇コリ
腕を上げるなどの動作でも脇の筋肉が使われますが、逆に過度な運動や筋トレなどで負荷をかけすぎると、使いすぎによって脇コリが起きることもあります。
脇コリと肩こりの深い関係
肩こりを感じる筋肉は、僧帽筋などの大きな筋肉が中心ですが、実は肩甲骨や脇まわりの小さな筋肉とも密接に連動しています。
そのため、脇コリを改善することで肩甲骨がスムーズに動くようになり、肩こりや巻き肩の根本改善にもつながります。 特にデスクワークで同じ姿勢が続く方や、肩を大きく動かすスポーツをされる方には、脇コリへの鍼灸が非常に効果的です。
セルフチェックにも役立つツボ「肩貞」
脇コリが気になる方は、肩貞(けんてい)というツボを押してみてください。脇の下から少し後ろ側、腕を軽く上げたときにできるしわの後ろのくぼみにあります。
ここを指で少し深く押したときに、ズーンと響く感覚や硬さ・痛みを感じる場合は、脇の筋肉がかなりこっているサインです。
脇コリに効果的なツボ
脇コリを改善するには、肩甲骨まわりや脇の下の筋肉に関わるツボを刺激することが効果的です。ここでは特におすすめの4つのツボをご紹介します。
天宗(てんそう)
位置:肩甲骨のちょうど真ん中あたり。肩の後ろ側を手で触り、肩甲骨の平らな部分を軽く押していくと、少し指が入り込むくぼみが見つかります。
効果:肩甲骨まわりの血流を促し、脇や背中の筋肉の緊張をゆるめます。肩こりや背中のだるさにもおすすめです。
肩貞(けんてい)
位置:脇の下から少し後ろ寄り。腕を軽く持ち上げると脇に横じわができますが、そのしわの後ろ側のくぼみが目安です。
効果:脇の下の深い部分の筋肉をゆるめ、巻き肩や肩甲骨の動きを改善します。肩こりにも効果的です。
臑兪(じゅゆ)
位置:背中側の肩甲骨の内側。肩甲骨の上のほうを触っていくと、横に伸びる硬い骨のライン(肩甲骨の出っ張り)が感じられます。その骨と肩甲骨の内側の境目あたりがツボです。
効果:肩甲骨まわりの硬さをほぐし、脇や肩のコリの原因となる深い筋肉にアプローチします。肩甲骨をスムーズに動かしたい方におすすめです。
臑会(じゅえ)
位置:肩甲骨の上のほうで、肩に近い部分。肩甲骨を内側に少し寄せると触りやすく、肩甲骨の外側上部のややへこんだあたりが目安です。
効果:脇から肩甲骨まわりの血流を促し、肩や腕の動きをスムーズにします。四十肩・五十肩のケアにもよく使われるツボです。
これらのツボを息を吐きながら軽く押すと、脇のコリが和らぎ、肩こりや巻き肩の改善にもつながります。お風呂上がりなど、筋肉が温まっているタイミングで行うとさらに効果的です。
脇コリに対する鍼灸
脇コリの鍼灸施術では、肩甲骨まわりや腕の筋肉、そして脇の下にある深部のツボに的確に鍼を打ち、緊張した筋肉をゆるめていきます。
肩こりや首こりは自覚しやすいのですが、脇の筋肉は普段あまり意識しないため、コリを感じていない方も少なくありません。実際に鍼をすると「ズーンとした重み」を感じ、「こんなところもこっていたんですね!(>_<)」と驚かれる方が多くいらっしゃいます。
鍼灸で得られる効果
- 肩甲骨の可動域を広げ、肩や腕を動かしやすくする
- 脇や肩まわりの血流を改善し、老廃物を排出しやすくする
- 巻き肩や猫背の改善をサポート
- 肩こり・首こりの慢性的なつらさを軽減
脇コリへのアプローチは、肩や首だけでは解消しにくい慢性症状にも良い変化をもたらします。気になる方は一度、鍼灸で脇まわりの深層筋までケアしてみてください。
まとめ
脇コリは肩や首のコリと深くつながっており、放っておくと肩甲骨の可動域が狭まり、巻き肩や猫背など姿勢の乱れにもつながります。セルフケアとしてツボ押しを取り入れることで、血流を促進し脇まわりの筋肉をほぐすことができます。頑固なコリや慢性的な不調がある場合は、鍼灸で深部の筋肉までしっかりケアすることが重要です。肩こりがなかなか改善しない方は、脇コリへのアプローチをぜひ試してみてください。