不妊症

このサイトは不妊症の鍼灸治療について、東洋医学の視点から原因・施術効果・症例・セルフケア・エビデンスまでを体系的に解説。福岡で不妊症の鍼灸治療をお探しの方の参考になる内容です。
福岡で不妊症の鍼灸施術をお探しの方へ

「妊活がうまく進まない」「検査で原因がはっきりしない」「人工授精・体外受精を重ねても結果が出ない」——そんな方に、身体全体のバランスを整える東洋医学(鍼灸)という選択肢があります。
鍼灸は薬を使わない自然な施術です。自律神経を整え、骨盤内の血流を高めることで女性ホルモンの働きをサポートし、質の良い卵胞が育ちやすい環境づくりを目指します。また、子宮内膜を充実させ、受精卵が着床しやすい状態へと導きます。
「妊娠しやすいカラダ」を内側から整えたい方は、まずはご相談ください。
不妊症の鍼灸施術はこのような方に
- 妊娠できるカラダ作りをしたい
- 自然なカタチで妊娠したい
- 原因不明(機能性不妊)と言われた
- 卵巣機能を高め、質の良い卵を育てたい
- 体外・人工受精を受ける前に体調を整えたい
- 二人目がなかなかできない(二人目不妊)
このような方に不妊症の鍼灸をおすすめします。

東洋医学から見た不妊症の原因とは
その中でも、東洋医学では「腎(じん)」「瘀血(おけつ)」「冷え」の3つが妊娠力に深く関係しているとされています。

※表は横にスクロールしてご覧いただけます。
用語 | 説明 |
---|---|
腎 | 腎臓のことではなく、東洋医学では生殖や成長、ホルモンバランスなどに関わる生命エネルギーの源を意味します。 腎の働きが弱くなると、女性では黄体機能不全や卵巣機能の低下、男性では精子の減少や精力減退などにつながります。 |
瘀血(おけつ) | 血の巡りが悪く、滞っている状態を指します。 ドロドロした血が子宮や卵巣にたまると、栄養が行き届かず、生理痛や排卵障害、子宮筋腫、子宮内膜症などの原因になることがあります。 |
冷え | 手足の冷えや下腹部の冷えなど、最も自覚しやすいサインです。 身体の内側が冷えると、卵巣や子宮の働きも低下し、受精や着床が起こりにくくなります。 |
鍼灸施術では、これらの要因にアプローチし、体の巡りや温かさを整えることで、妊娠しやすいカラダづくりをサポートしていきます。
不妊症の鍼灸で期待できること
目的は妊娠ですが、その前提となる“からだの調子”を整えることが重要です。体調の変化を感じる方が多く、結果的に妊娠の可能性向上が期待できます。
- 疲れにくくなる、冷え・むくみの改善
- 睡眠の質向上、頭痛・肩こり・腰痛の軽減
- 便通の改善、生理痛の軽減
具体的な目標
- 卵子の質の向上、黄体機能の改善
- ホルモンバランスの調整(低温期・高温期の安定)
- 排卵リズムの安定、子宮内膜の充実

授かった後も、血流が良く冷えのない状態を保つことが大切です。ママの体調が良いほど、お腹の赤ちゃんも過ごしやすくなります。
産後は体力勝負。妊娠中から調子を整えておくと、育児を前向きに過ごしやすくなります。鍼灸は産前・産後のケアにも役立ちます。

不妊症の鍼灸について
不妊症の鍼灸施術では、どの部位にどんな施術を行うのか分からず、不安に感じる方も少なくありません。また、「鍼は痛そう」と思っている方も多いですが、実際に受けてみると「全然痛くない!」と驚かれる方がほとんどです。
初回はどうしても緊張するものですが、2回目以降は鍼の感覚にも慣れ、リラックスして受けていただけます。慣れてくると、施術中に眠ってしまう方もいるほどです。安心してお越しください。

不妊症の鍼灸とは
不妊症の鍼灸では、手足のツボに鍼やお灸を行い、全身の血流とホルモンバランスを整えます。また、骨盤まわりのツボに鍼を行うことで、骨盤内の血流を改善し、子宮や卵巣の働きをサポートします。
肩こりや頭痛、腰痛などの症状がある場合は、それらにも同時にアプローチしていきます。不妊症の鍼灸施術がどのように行われるのかを詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

『三陰交』は足首にあるツボ。女性ホルモンのバランスを整え、不妊体質の改善には欠かせません。

『次髎』は骨盤にあるツボ。骨盤内の血流を改善し、子宮の働きを助けます。

頭痛・肩こりや自律神経を整える鍼灸で、体調を整えることで妊娠しやすい体づくりをしていきます。
鍼灸施術を始めるタイミング(周期療法)
鍼灸は、生理周期に関係なくいつからでも始められます。自然妊娠を希望する方はもちろん、体外受精・顕微授精を受けている方も安心して施術を受けられます。
当院では、体のリズムに合わせた施術を行っています。

月経周期と鍼灸の役割
● 月経期
デトックス効果のあるツボを刺激し、生理痛の軽減や不要物の排出を促します。
ツボ:三陰交、血海、合谷 など
● 卵胞期
エネルギーを蓄えるツボを刺激し、良質な卵子の形成や子宮内膜の成長をサポートします。
ツボ:三陰交、太衝、関元 など
● 排卵期
排卵をスムーズに行い、低温期から高温期への移行を助けます。
ツボ:三陰交、足三里、太衝 など
● 黄体期
黄体ホルモンの分泌を促進し、骨盤内の血流を良くして高温期を安定させます。
ツボ:三陰交、足三里、気海 など
通院の目安
体質改善には時間がかかるため、まずは半年ほどを目安に週1回のペースで通うことをおすすめします。鍼灸を続けることで徐々に体調が整い、月経周期や基礎体温のリズムが安定していきます。
良い卵子の育成には、一般的に7〜8か月ほどかかるといわれています。数回で妊娠に至る方もいますが、基本的には根気強く施術を重ねることが大切です。
約3か月ほど続けると、体質の変化を感じる方が増えてきます。また、自宅では体質改善のセルフお灸をしていただいています。
喜びの声|妊娠できました!
冷えの改善から妊娠へ
30代後半の女性。主訴は「不妊(1人目)・足の冷え・右肩〜腕の痛み」。タイミング法後に人工授精を実施中で、妊娠に向け体質改善を希望。排卵障害の可能性がありクロミッド服用中。ご主人は検査問題なし。
冷えとむくみ、肩の痛みに対し、腰・臀部・腹部を中心に温める施術を実施。自宅でのお灸も指導し、施術後は身体が温まり睡眠も改善。肩・腕の痛みは4回で解消。
冷えが改善し、2か月後の採卵で10個以上の卵子を採取、8個が胚盤胞に。鍼灸で子宮内膜が厚くなり、2回目の移植で妊娠。約8か月で不妊クリニックを卒業。
生理痛の緩和から妊娠へ
30代後半の女性。主訴は「不妊(1人目)・生理痛・骨盤痛」。1年前から妊活を開始し、タイミング・人工授精を経て体外受精へ。卵巣嚢腫摘出と子宮腺筋症の既往があり、生理痛や血塊を伴う出血が強い。
腹部・腰・臀部の冷えと硬さを重点的に施術し、血流促進と代謝改善を図る。自宅灸も継続し、生理痛・出血・冷えが緩和。
3回目の採卵で胚盤胞を含む2個を凍結し、約4か月半後の初回移植で妊娠に成功。
子宮内膜症・2人目不妊から妊娠へ
30代前半の女性。主訴は「不妊(2人目)・子宮内膜症による生理痛」。自然妊娠を希望し、不妊クリニック未受診。卵巣嚢腫の手術歴があり、生理痛と血塊が強い。
冷えと背中のハリが強く、全身の血流改善を目的に施術。初回から身体が温まり、自宅でのお灸も実践。通院は月1~2回ながら、毎日お灸を継続。
冷えや生理痛が軽減し、約9か月後に人工授精を開始。3回目の人工授精で2人目の妊娠に成功。
冷え症・甲状腺機能低下から妊娠へ
30代女性。主訴は「不妊・冷え症・甲状腺機能低下」。1年前から妊活を行うも妊娠に至らず。夫は当初非協力的だったが、後に検査で異常なし。冷えの改善を目的に来院。
下半身の冷えとむくみに対し、血流促進と温めを中心に施術。自宅灸も実践し、体の温かさを実感。
人工授精を2回行い、その後体外受精へ。初回採卵で胚盤胞4個凍結、子宮内膜9mm以上に整い、2回目の体外受精で妊娠陽性。約8か月で心拍確認・クリニック卒業。
不妊症の鍼灸治療のエビデンス
近年の研究では、人工授精(IUI)や体外受精(IVF)の前後に鍼灸治療を行うことで、着床率や妊娠率が高まる可能性があると報告されています。とくに、胚移植の1〜3日前・当日・翌日に鍼灸を受けることで、子宮の血流やホルモンバランスが整い、妊娠をサポートする効果が期待されます。
ただし、当院では人工授精や体外受精の前日・当日に初めて来院される方への施術は行っておりません。初診時は体質や反応を十分に見極める必要があり、個々に合ったツボ選定が難しい場合があるためです。また、体質によっては一時的に倦怠感などの好転反応が出ることもあります。
より安全で効果的なサポートのために、できれば移植の3か月前〜数週間前から定期的に鍼灸治療を受け、体質やホルモンのリズムを整えておかれることをおすすめしています。
体外受精と鍼灸|着床率向上

体外受精(IVF)の胚移植前後に鍼治療を行った女性160名を対象とした無作為化比較試験(RCT)では、鍼治療群の妊娠率が42.5%、対照群が26.3%と、鍼治療を受けた群で有意に高い結果が報告されました。鍼刺激は子宮血流やホルモン環境を改善し、体外受精の成功率を高める可能性があると結論づけています。
体外受精と鍼灸|妊娠・出生率向上

体外受精(IVF)の胚移植当日前後に鍼治療を行った1366名のメタ解析では、鍼治療群の妊娠率が対照群より約65%高く、出生率も有意に向上することが示されました。補助的治療として鍼灸がIVFの成功率向上に寄与する可能性があると結論づけています。
体質改善のセルフケアのお灸

鍼灸治療とあわせて、ご自宅でもお灸を続けることで、より早く体質改善を実感できます。お灸には、血流を良くし、内臓の働きを整え、ホルモンバランスを安定させる効果があります。特に「冷え」「生理痛」「月経不順」「むくみ」などがある方にはおすすめです。その方の体質や体調に合わせ、ツボの場所やお灸のやり方は指導いたします。
不妊体質の改善には、毎日もしくは週に2~3回行っていただくことをおすすめします。お灸の熱さは我慢せず、心地よい温かさを感じる程度で行いましょう。
不妊症の体質改善に効果的なツボ
鍼灸院での治療とご自宅でのお灸を組み合わせることで、体が少しずつ温まり、自然なリズムが整っていきます。「自分でできる妊活ケア」として、ぜひ取り入れてみてください。
三陰交(さんいんこう):足の内くるぶしから指4本分上の骨の際。子宮や卵巣の血流を促進し、ホルモンバランスを整えます。
太衝(たいしょう):足の甲で、親指と人差し指の骨が交わるくぼみ。自律神経を整え、ストレスや緊張を和らげます。足先の冷えにも効果的です。
関元(かんげん):おへそから指3本分下。体を温める力を高め、冷え性・生理痛・不妊体質の改善に有効です。
■ お灸についてもっと知りたい方へ
不妊症の鍼灸施術費
不妊症の鍼灸施術費 | ||
初見料 | 2,000円 | 初回のみ頂いています。 |
鍼灸施術 | 5,500円 | 不妊症の施術費です。 |
セルフお灸 | 1,000円 | 希望者のみです。 |
- 初回は初見料2,000円+鍼灸施術費5,500円=7,500円になります。2回目以降は鍼灸施術費の5,500円のみです。
- セルフお灸は100個入りです。
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