女性の副鼻腔炎(蓄膿症)の鍼灸施術

副鼻腔炎、いわゆる蓄膿症を発症する男女差は、一般的にはあまり無いようですが、当院では比較的女性の方が副鼻腔炎の症状でお見えになるケースが多いように見受けられます。忙しい毎日で疲れやストレスがたまると免疫力が落ち、鼻の不調が長引きやすいのかもしれません。
そんなとき、体の内側から整える鍼灸施術は自然なケア方法として役立ちます。
もくじ
副鼻腔炎(蓄膿症)になりやすい女性の特徴

- 30~40歳代
- 仕事も家事も忙しい
- 疲れやすい、疲れが溜まりやすい
- 首肩こりが強い
- 抗生物質を服用するが効きづらい
- 副鼻腔炎を繰り返している
身体の抵抗力が落ちると免疫力も低下するので、副鼻腔炎の原因となる「細菌感染」にかかりやすいのだと思います。
副鼻腔炎(蓄膿症)とは
「副鼻腔炎」とは、「蓄膿症」とも呼ばれ、鼻の奥の副鼻腔膜に炎症が起きる病気です。主な症状は、粘り気のある鼻水、鼻詰まり、咳や痰、後鼻漏、頭重、嗅覚低下、目の周りや頬の痛みなどがあります。発症から4週間以内は「急性副鼻腔炎」、3ヶ月以上続く場合は「慢性副鼻腔炎」と呼ばれます。
副鼻腔は鼻周辺にある空洞で左右4つずつあります。
- 上顎洞(じょうがくどう)
- 篩骨洞(しこつどう)
- 前頭骨洞(ぜんとうどう)
- 蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)

副鼻腔炎(蓄膿症)の原因
副鼻腔粘膜には「線毛」という構造があり、異物や細菌を外へ排出します。しかし炎症や閉塞により排出ができなくなると、副鼻腔内に分泌物が溜まり症状を引き起こします。
急性副鼻腔炎の原因
風邪からの感染拡大が主因で、ウイルス感染から細菌感染に移行します。アレルギー性鼻炎による粘膜のむくみやポリープが原因となることもあります。
慢性副鼻腔炎の原因
急性副鼻腔炎の慢性化が多く、主に細菌感染が関与します。線毛の働き低下により分泌物の排出が滞るため、長期治療が必要になることもあります。また構造異常やポリープも原因になります。
最近では好酸球性副鼻腔炎が増加しており、手術しても再発しやすく、嗅覚障害や喘息を合併する傾向があります。
副鼻腔炎(蓄膿症)に鍼灸施術
耳鼻咽喉科では抗菌薬や点鼻薬、手術などが行われますが再発の可能性があります。当院では、副鼻腔炎の症状に鍼灸施術を取り入れる方も多くいらっしゃいます。鼻周囲のツボに鍼をすることで炎症を抑え症状を軽減します。
女性の場合は首肩こりの改善のため背中にも施術を行い、血流促進や自律神経調整、免疫力向上を図ります。薬を使いたくない方に特におすすめです。顔用の細い鍼を使用するため痛みは少なく、施術中に眠ってしまう方もいます。

副鼻腔炎(蓄膿症)におすすめの手のツボ
副鼻腔炎に効果的なツボは顔以外にもあります。代表的なのは「合谷(ごうこく)」という手のツボです。場所は手の甲の親指と人差し指の間で、人差し指寄りにあります。

合谷は鼻につながる経絡に属しているため、鼻炎や鼻詰まりに効果があります。
施術風景
当院のインスタグラムで紹介しています。
まとめ
「副鼻腔炎」とは「蓄膿症」とも呼ばれ、鼻の奥の副鼻腔膜に炎症が起きる病気です。急性・慢性のタイプがあり、原因は線毛の働き低下や感染によるものです。鍼灸は血流改善や免疫力向上を助け、薬を使いたくない方にも有効なケア方法です。
この記事を書いた人

鍼灸師 大平洋子 (おおひら ようこ)
中国鍼灸院 箱嶌医針堂にて美容鍼・女性疾患などを主に担当している。
健康になりながら、美しくなっていただけるように鍼灸治療を行っています。
より多くの方に鍼灸の素晴らしさを知って頂きたいと思っています。
鍼灸や美容に関するブログを書いています。