耳の閉塞感とめまいの鍼灸治療

めまいが起こる前兆とは
メニエール病などで何度もめまいを経験している方は、「めまいが起こる前兆」がしだいに分かってくることがあります。
代表的な前兆として、次のようなサインが見られます。
- 耳の閉塞感や耳鳴りがしはじめる
- なんとなくフラフラしてくる
- 肩こりがして、頭痛や頭重感がする
- 気分が悪くなる
これらの症状が出はじめたときは、体が「めまいのサイン」を出している可能性があります。 また、次のような要因でもめまいが起こりやすくなります。
- 急激な温度変化や台風・寒波などによる気圧の変化
- 風邪を引いたり、体調を崩しているとき
- 睡眠不足や疲労の蓄積
これらの原因や体調の乱れを整えることで、めまいの改善・予防につながることがあります。
首・肩こりを整えることがめまい改善の鍵

当院には、めまいでお悩みの方が多く鍼灸治療を受けに来院されています。問診や触診を行うと、多くの方が首や肩のこりを強く感じていることが分かります。
特に、めまいが起こる数日前から疲労の蓄積や首・肩のこりを自覚するケースが目立ちます。このような首や肩の緊張を改善することが、めまいを予防・軽減する大切なポイントになります。
実際に、先日来院された方も風邪をひいた後に体調を崩し、耳の閉塞感と回転性のめまいを発症されていました。この方も例外なく、首まわりの強いこりを自覚されていました。
<症状の経過>
風邪 → 首こり → 耳の閉塞感 → 吐き気 → 回転性のめまい(メニエール病)
このように、体調不良から首の緊張が強まり、耳の不快感やめまいに発展するケースは少なくありません。鍼灸治療で首こりと耳の閉塞感を改善した結果、めまいの発作が出なくなった例も多く見られます。
鍼灸治療で改善しためまいの症例

男性・40歳/福岡市在住
主訴:めまい・吐き気(メニエール病)
年末に風邪を引いた後、年明けに耳の閉塞感が続き、その直後に吐き気と回転性のめまいが発症しました。
耳鼻科では「メニエール病」と診断され、イソプロバイドシロップやトリノシンなどの投薬治療を受けましたが、なかなか改善が見られませんでした。
自宅療養中に強いめまい発作に3回も襲われ、救急搬送されるほどの重症でした。
経過の流れ
- 12月26日 風邪を引く
- 1月9日 右首のこりと右耳の閉塞感を自覚。耳鼻科で投薬治療を開始。
夜中に急激なめまいに襲われ、救急車で病院へ搬送。 - 1月13日 吐き気止めを追加処方。
- 1月15日 朝、急激なめまい発作が再発し、再び救急搬送。
- 1月16日 薬の効果を感じず、耳鼻科に再相談。
- 1月18日 再びめまい発作で救急搬送。
- 1月19日 鍼灸治療を開始。
毎回、耳の閉塞感が強くなった後に吐き気とめまい発作が起こっていました。そのため「耳の閉塞感を改善すればめまいも落ち着くのでは」と考え、当院の鍼灸治療を希望されました。
診察の結果、首の筋緊張が強く、水分代謝の働きも低下している状態でした。そこで、これらの改善に有効なツボを中心に鍼灸治療を行いました。
治療後は耳の閉塞感と回転性のめまいが劇的に改善し、その後も発作は起きていません。
患者様からの感想

右耳の閉塞感があり、「めまい(回転性)」や「吐き気」で10日間ほど苦しい思いをしていたところ、インターネットで当院にたどり着きました。鍼は人生初の体験で不安がありましたが、全く痛みもなくリラックスできました。驚いたのは、治療した12時間後に右耳の閉塞感がすっかり改善し、苦しかった「めまい」「吐き気」から解放されました。本当に感謝しています。ありがとうございました。
まとめ
メニエール病によるめまいや耳の閉塞感は、首や肩のこり・自律神経の乱れが関係しているケースも多くあります。鍼灸では、体の緊張をゆるめ、内耳や血流・水分代謝のバランスを整えることで、根本的な改善と再発予防を目指します。薬でなかなか良くならないめまいにお悩みの方は、一度鍼灸治療を検討してみてください。