肩こりと偏頭痛、どちらもつらい…ツボ押しでスッキリ軽くなるセルフケア法

「肩こりがひどくなると頭まで痛くなる…」「薬に頼らずにツボでどうにかできないかな?」
そんなお悩みを抱えている方へ、この記事では肩こりと偏頭痛に効果が期待されるツボと、自宅でできるセルフケアのコツをご紹介します。ツボは同時にケアできるポイントも多く、毎日のちょっとした習慣で不快感がラクになることもあります。さらに根本的な改善をしたい方には鍼灸の活用も紹介しています。
もくじ
肩こりと偏頭痛は関係している?
実は、肩や首の筋肉がガチガチにこって血流が悪くなると、頭部への酸素や栄養の循環も悪化し、緊張型頭痛や偏頭痛を引き起こす原因になるとされています。
特にデスクワークやスマホの使いすぎで「同じ姿勢が続く」「目が疲れる」という方は、肩こりと片頭痛がセットで起きやすい傾向にあります。
そんなときは、肩と頭、両方の血流を促し、自律神経のバランスを整えるツボを刺激することで、症状の緩和が期待できます。
肩こりと偏頭痛を緩和するツボの効果
ツボや圧痛部(押すと痛気持ち良い部分)をやさしく指圧することで、肩こりや頭痛の緩和が期待できます。
実際に、慢性頭痛の患者さんを対象にした研究では、頭や首の特定のツボ(百会・風池・攅竹など)や圧痛部を押す「指圧療法」を行ったところ、1か月後には痛みの強さが有意に減り、その効果は6か月後まで続いたと報告されています。
この結果から、ツボ指圧は肩や首のこわばりをほぐし、血流を促すことで、片頭痛や緊張型頭痛などの痛み緩和に役立つ可能性があると考えられます。
(出典:Alizadeh R, et al. Am J Chin Med. 2010)
肩こりと偏頭痛をやわらげるツボ7選
1. 風池(ふうち)
首のうしろ、髪の生え際あたりのくぼみ。
首こりや偏頭痛におすすめ。ツーンと痛むような頭痛のときに活用されることがあるツボです。
2. 天柱(てんちゅう)
首のうしろ、僧帽筋の外側にあるくぼみ。
目の疲れや緊張型頭痛のケアにも使われます。
3. 肩井(けんせい)
肩の中心、首と肩先を結んだラインの中間点。
筋肉のこわばりが気になるときに使われることが多く、リラックスを促す目的で活用されるツボです。

4. 百会(ひゃくえ)
頭のてっぺん、左右の耳を結んだ線と体の中心線が交わるところ。
自律神経を整える作用があるとされ、ズーンと重い頭痛に。
5. 太陽(たいよう)
こめかみの外側。
ズキズキする片頭痛にやさしく押すとリラックスできます。

6. 合谷(ごうこく)
手の甲、親指と人差し指の間にあるくぼみ。
肩こりの他にも、ストレスケアや目の疲れを感じる方が活用することの多いツボです。
7. 手三里(てさんり)
肘の外側から指3本分下にある場所。
肩〜腕の疲れにくる痛みを緩和し、肩こりや頭痛の予防に使われます。
ツボ押しのやり方|毎日3分でできるケア
- 押し方のポイント:「痛気持ちいい」と感じる強さで、3〜5秒ずつ押します。指の腹を使って垂直に圧をかけるのがコツ。
- 呼吸を合わせて:息を吐きながらゆっくり押し、吸いながらゆっくり離す。リズムを大切に。
- 1日数回、短時間から:朝・昼・夜など、時間を決めて習慣にしましょう。
肩こり・偏頭痛の鍼灸治療のススメ
ツボ押しは自宅で簡単に取り入れられるセルフケアとして有効ですが、より根本的な改善や持続的な効果を目指す場合には、鍼灸治療がおすすめです。
実際に、海外の研究では、鍼治療は偏頭痛の痛み(VASスコア)、頭痛の頻度、持続日数、頭痛日数のすべてにおいて有意に改善をもたらしたと報告されています。これは複数の臨床試験をまとめた解析結果であり、科学的に鍼治療の有効性が裏付けられたものです。
出典:Acupuncture for migraine: a systematic review and meta-analysis(PMC)
また、日本の研究でも興味深い結果が出ています。難治性の片頭痛患者70名に2か月間鍼治療を行ったところ、強い頭痛の日数が月に6日以上から約2日まで大きく減少しました。
出典:A Narrative Review of Neuroimaging Studies in Acupuncture for Migraine(Ma et al., 2021, PMC)
つまり、「セルフケア(ツボ押し)+鍼灸施術」の組み合わせによって、日常的な対処と根本的な改善をバランスよく取り入れることができ、より快適な毎日を目指すことができます。
こんなときは医療機関へ
以下のような場合は、ツボ押しだけに頼らず専門医の診察を受けましょう。
- 肩や首の痛みが動かせないほど強い
- 頭痛が長引く・突然強くなる
- 吐き気、めまい、視界の異常を伴う
- しびれや脱力感がある
ツボ押しはあくまで補助的なケア。重症化を防ぐためにも、無理せず相談することが大切です。
まとめ|肩こりと偏頭痛には「重なるツボ」で効率ケア
「肩こりと偏頭痛が同時に起きる」という人はとても多く、その2つの症状に共通して使えるツボも多く存在します。
- ツボ7選(合谷、肩井など)は、どちらの不調にも対応できる
- 毎日のセルフケアに取り入れることで、予防や再発の軽減も期待できる
- ツボ押しだけでなく、姿勢・睡眠・ストレス対策も一緒に見直すことが大切
- 鍼灸治療を組み合わせることで、より根本的な改善や持続的な効果が期待できる
無理なく続けられる方法で、少しずつ心身のバランスを整えていきましょう。つらい不調を我慢せず、自分の体と向き合う第一歩にしてみてください。
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毎日を目指すことができるのです。