大腰筋が原因の腰痛とは?|鍼灸で腰の奥の痛みを改善
腰の奥が重い・抜けるような感覚の腰痛は、深部の筋肉「大腰筋(だいようきん)」のコリが原因のことがあります。
この記事では、大腰筋の働きと腰痛の関係、セルフチェックの方法、そして鍼灸による改善法と症例について分かりやすく解説しています。

- 腰が痛いけど、マッサージしても改善しない
- 腰になまりをつけたような重たい感じがある
- 腰の奥の方(深部)が痛い・だるい
- 腰が伸びない
大腰筋が原因で起きる腰痛の場合、このように言われる方が多いです。このような場合は、鍼治療が効果的です。
もくじ
大腰筋ってどこ?

大腰筋は腰の深部にある筋肉で、「インナーマッスル」とも呼ばれています。背骨と両足の骨をつなぐ筋肉で、主に姿勢を保ったり、足を上げる時に使う筋肉です。
この大腰筋に問題が起きると、腰の深部の方が痛くなります。慢性腰痛の方の多くにこの大腰筋のコリが影響しています。
大腰筋は腰の深部にあるため、腰が痛いんだけど、いくらマッサージをしても改善されにくいです。そのため、大腰筋を直接施術できる鍼治療が効果的です。
大腰筋が原因による腰痛の特徴
大腰筋は、長時間座っていたりすると縮こまって伸びなくなることがあり、腰の深部痛・腰の抜け感・姿勢の崩れといった症状が生じやすくなります。
大腰筋が問題で起きる腰痛の方は、このような特徴があります。
- 座った状態から立ち上がる時に腰が痛い、腰が伸びない。
- 身体をエビのように丸めて横向きに寝ているとラク。
- 腰の深部の方が重だるい、鉛をつけているような感じがする。
- 腰のどこが痛いか、ハッキリとココと分かりにくい。
- くしゃみなどをすると、腰の深部に響く。
大腰筋が原因の腰痛セルフチェック
上記の項目に複数当てはまる場合は、大腰筋が硬くなっている可能性があります。
大腰筋に効く鍼灸治療

大腰筋は腰の深部にあるため、マッサージでは刺激が届きにくい筋肉です。鍼治療なら、直接大腰筋にアプローチでき、血流を促し、深部の緊張を改善します。
そのため、腰の奥のなかなか治らない痛みを改善することができます。
大腰筋が原因の腰痛|鍼灸治療の症例
症例①:腰が重だるく、マッサージしても改善しない
40代女性。デスクワーク中心で、慢性的に腰が重だるいとの訴え。整骨院やマッサージを受けると楽にはなるが、すぐに痛みが戻るとのことでした。マッサージではなかなか取れない腰痛のため、鍼で腰の深部(大腰筋)に直接アプローチを行ったところ、初回から「腰が軽くなった」と実感。週1回の施術を3回行ったところ、腰の重だるさや違和感がほぼ消失しました。
症例②:腰になまりをつけたような重たい感じがある
50代男性。車を運転することが多く、夕方になると腰が鉛のように重く、動くのがつらい状態。検査で腰椎の異常はなく、大腰筋など腰の筋肉のこりが原因と考えられました。鍼灸で大腰筋を中心に深部刺激を行いました。1回目の施術後、数日間は腰痛も軽かったそうですが、その後はまた重くなる状況。週1回~2週に1回の施術を1か月ほど継続し、徐々に「夕方になっても腰の重たい感じがほぼなくなり、体が軽くなった」と言われ、様子を見ることにしました。
症例③:腰の奥の方(深部)が痛い・だるい、腰が伸びない
60代女性。2日前から「腰の奥がだるくて伸びない」との主訴で来院。前屈や立ち上がり動作で腰の奥が突っ張るような痛み。腰痛により前かがみ姿勢が楽ということでした。鍼灸で腰(大腰筋や脊柱起立筋など)とお尻の筋肉をゆるめたところ、1回目の施術翌日には「腰がスッと伸びるようになった」と改善。念のため、2日後にもう一度鍼をして、様子をみることにしました。
まとめ:腰の奥の痛みには大腰筋ケアを
「腰が重い」「腰が抜けるような感じがする」腰痛の多くは、大腰筋の緊張が関係しています。鍼灸で深部の筋肉を整えることで、痛みや不安定感が改善し、再発予防にもつながります。
動画で解説:腰痛の鍼灸治療
立ち仕事で慢性的な腰痛に悩まされている方に鍼灸治療を行いました。
首肩こりから腰痛まで背中のコリがひどい方への鍼灸治療を行いました。