鍼灸師が解説!低気圧頭痛の鍼灸治療|効くツボとセルフケア

このような症状は「低気圧頭痛」と呼ばれ、多くの女性が悩まされています。
低気圧頭痛は気圧の変化によって血管が拡張したり神経が刺激されることで起こるため、原因を理解し、早めに正しい対策をとることが大切です。
放置すると頭痛だけでなく、肩こりや倦怠感、自律神経の乱れなど全身の不調につながることもあります。
もくじ
低気圧頭痛とは

「低気圧が近づくと頭が重くなる…」
「雨の日に頭痛がする…」
「天気の悪い日は体調不良で、特に頭痛がツライ…」
天気によって体調が左右される「気象病」は近年注目されており、その代表的な症状が低気圧頭痛です。
特に女性に多く見られ、ホルモンバランスや自律神経が関係しているといわれています。
低気圧頭痛は、天気が悪くなるときに起こる片頭痛型や緊張型頭痛といったタイプがあり、症状や原因が複雑に絡み合っています。
気圧変化に敏感な体質の方は、早めにケアを始めることが悪化防止のポイントです。
頭痛以外の症状も
低気圧による不調は、頭痛に限らず、めまい・耳の症状・関節痛・胃腸の不調・気分の落ち込みなど、全身に広がる可能性があります。
特に、普段から自律神経が乱れやすい人や慢性痛を抱えている人は、気圧変化に敏感な傾向があります。
低気圧頭痛のメカニズム

低気圧頭痛は、天気が崩れるときや台風が近づくときに多く見られます。
気圧が下がることで脳内の血管が拡張し、その血管が三叉神経(さんさしんけい)を刺激することで痛みが発生します。
三叉神経は顔や頭部の感覚を司る神経で、この神経が刺激されると脳に「痛み信号」が伝わり、ズキズキとした片頭痛や重だるい頭痛が起こります。
低気圧が近づく → 血管が拡張する → 三叉神経を刺激 → 頭痛が起きる
さらに、気圧の変化は自律神経のバランスにも大きく影響します。自律神経が乱れると血管の収縮・拡張がうまくコントロールできず、頭痛が悪化したり、めまいや耳のつまり感、倦怠感などの症状が併発することもあります。
低気圧になると血管が拡張する理由

高い山や飛行機の中で、お菓子やパンの袋が膨らむのを見たことはありませんか?
これは、外の気圧が低くなることで袋の内圧が相対的に高くなり、膨張する現象です。
人間の体内でも同じことが起こり、気圧が下がると血管の内圧が相対的に高くなり血管が膨張(拡張)しやすくなります。
その結果、三叉神経を圧迫し、頭痛が発生しやすくなるのです。
どのタイミングで痛くなる?
低気圧頭痛は、天気が崩れる前や台風が近づくときに痛みが出やすい特徴があります。
気圧が急激に下がり始めるタイミングで血管が拡張し、三叉神経が刺激されるためです。
多くの方は「雨が降る前から頭痛がする」「天気が悪くなる予兆として頭が重くなる」といった症状を感じます。
特に気圧の変化が大きいときや、短時間で気圧が急激に変化する場合には症状が強く出やすく、頭痛だけでなくめまいや耳のつまり感、倦怠感を伴うこともあります。
また、生理前や体調が優れないときは、自律神経やホルモンバランスが不安定になり、低気圧の影響を受けやすくなるため注意が必要です。
天気予報アプリや気圧予報をチェックして、痛みが出る前に予防ケアを始めることが大切です。
女性に多い低気圧頭痛
低気圧頭痛は女性に多く、男性の約3倍発症しやすいといわれています。
その背景には女性ホルモンの影響が深く関係しており、女性は生理周期によるホルモンバランスの変動で自律神経も乱れやすくなります。
そのため、気圧の変化に敏感になり、頭痛やめまいなどの症状が悪化しやすいのです。
低気圧頭痛に対する鍼灸治療

低気圧の影響で頭痛が起こりやすい方は、自律神経やホルモンバランスが乱れやすい傾向があります。
また、多くの方に慢性的な首や肩こりが見られ、これが頭痛をさらに悪化させる原因になることもあります。
鍼灸治療では、自律神経や女性ホルモンのバランスを整えるとともに、首や肩まわりの筋肉を緩めることで血流を改善し、低気圧頭痛を引き起こす要因を減らしていきます。
継続的に施術を行うことで、気圧の変化に負けない体づくりをサポートします。
詳しくはこちらをご覧ください。
低気圧頭痛に効果的なツボ
首や肩まわりのコリを緩め、自律神経のバランスを整えておくことが、低気圧頭痛の予防につながります。
ここでは、首肩こりや自律神経の乱れに効果的な代表的なツボをご紹介します。
合谷(ごうこく)

合谷(ごうこく)は、親指と人差し指の骨が交わる部分から少し人差し指寄りにあるツボです。
親指で押してみて、ズーンと響く感覚があるところが正確な位置です。
押すときは深呼吸をしながら、5秒ほどじっくり押して、ゆっくり離すのを3〜5回繰り返すと効果的です。
強く押しすぎず、心地よい圧を感じる程度で行いましょう。
特に低気圧頭痛では、気圧の変化で自律神経が乱れ、血管が拡張することで痛みが起こります。
合谷を刺激することで首や頭部の血流が整い、頭痛だけでなくめまいや倦怠感の軽減にも役立ちます。
「天気が悪くなる前に頭が重い」「雨の日に頭痛が出やすい」という方は、気圧が下がりそうなタイミングで予防的に合谷を刺激すると効果的です。
低気圧頭痛を予防するセルフお灸

低気圧が近づくと頭痛や体調不良が起きやすい方は、普段から自律神経が乱れやすく敏感な体質である場合が多いです。
体調を日頃から整えておくことが、低気圧頭痛の予防につながります。
セルフお灸は血流を促し、自律神経を整えるのに役立つため、自宅で簡単に取り入れられるケア方法です。
当院での鍼灸治療の際には、体質に合わせた適切なツボやお灸の使い方を丁寧にお伝えしています。
「お灸を始めてみたいけれどやり方がわからない」という方も、安心してご相談ください。
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