MRI・レントゲン異常なしの坐骨神経痛|本当の原因と鍼灸治療

レントゲンは骨や椎間板の状態を確認する検査で、MRIは腰の深部にある筋肉や神経まで詳しく見ることができます。MRIでは椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、坐骨神経痛の代表的な原因を調べることが可能です。
しかし、中には「レントゲンやMRIで異常が見つからない」にもかかわらず、痛みやしびれが続くケースもあります。
この記事では、「レントゲン・MRI異常なし」「原因不明の坐骨神経痛」の背景と原因、鍼灸による改善アプローチ、実際の症例をわかりやすく解説します。
もくじ
「レントゲン・MRIで異常なし」の坐骨神経痛とは?
- 腰からお尻にかけて痛い…
- お尻から太もも裏がしびれる…
- 腰は痛くないが、ふくらはぎの外側がしびれる…
このような症状があるのに、検査では「異常なし」と診断されるケースがあります。医師からは「坐骨神経痛ですね」とだけ伝えられ、鎮痛剤や湿布を処方されても症状が改善されず、不安を抱える方も少なくありません。
MRIやレントゲンで異常がなくても多い坐骨神経痛

実は「原因不明の坐骨神経痛」は非常に多く見られます。そもそも腰痛の約85%は原因不明といわれており、残り15%が椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの典型的な原因です。
そのため、MRIやレントゲンで異常が見つからず、「坐骨神経痛としか言われなかった」という方が多くなります。
原因不明の坐骨神経痛の本当の原因
治療を続けていくと、多くの患者さんに共通しているのが腰からお尻にかけての筋肉が硬くなっているという点です。実はこの硬くなった筋肉が、原因不明の坐骨神経痛を引き起こしています。
坐骨神経痛を起こす可能性のある筋肉

坐骨神経は腰からお尻、太もも、ふくらはぎ、足先までつながる長い神経です。筋肉の間を通るため、腰やお尻の筋肉が硬くなると神経が締め付けられ、痛みやしびれとして現れます。
硬くなった筋肉を緩める鍼灸治療
硬くなった腰からお尻にかけての深部筋肉を緩めるには鍼灸治療が効果的です。鍼で直接アプローチすることで筋肉が効率よく緩み、坐骨神経への圧迫が和らぎ、症状が徐々に改善されます。
「レントゲン・MRI異常なし」「原因不明の坐骨神経痛」でお悩みの方は、一度鍼灸治療を試してみることをおすすめします。
詳しくはこちらをご覧ください。
症例
症例1:30代女性・デスクワーク中心の原因不明坐骨神経痛
2週間前から右のお尻から太もも裏にかけてしびれと鈍痛が出現。整形外科でレントゲンとMRIを撮影するも「異常なし」と診断され、鎮痛剤と湿布を処方されたが改善せず来院。鍼灸治療では、腰からお尻にかけての深部筋(梨状筋・中殿筋)の強いコリを重点的に施術。初回施術後、しびれが軽減し、3回目で日常生活での痛みが半分以下に。5回目終了時にはしびれが消失し、再発予防としてストレッチを指導。画像検査では映らない筋肉の緊張が原因となっていたケース。
症例2:40代男性・ランニング後に悪化した坐骨神経痛
ランニング後から左お尻に鋭い痛みが出現し、ふくらはぎ外側までしびれが広がった。整形外科でMRIを撮影するも異常はなく、「坐骨神経痛」と診断され鎮痛剤を処方されたが改善せず来院。鍼灸施術では梨状筋と坐骨神経周囲に鍼を行い、筋肉を緩める治療を実施。初回でお尻の痛みが軽減し、2回目でふくらはぎのしびれも改善。5回目終了時にはランニング再開が可能になった。筋疲労による深部筋肉の緊張が坐骨神経を圧迫していた症例。
症例3:50代女性・慢性的な腰痛から悪化した坐骨神経痛
数年前から腰痛があり、最近になりお尻から太もも裏、ふくらはぎまでしびれが広がる。MRI検査では異常が見つからず「原因不明」とされ、鎮痛薬を服用しても改善せず夜眠れないため来院。腰部と殿部深部筋に強い硬結が見られたため、鍼灸施術で深部筋にアプローチ。さらに足三里や承山など下肢のツボを使い血流を促進。初回で腰からお尻の痛みが軽減、3回目で夜間の痛みがなくなり熟睡できるように。7回目終了時には日常生活に支障がなくなるまで改善した。慢性的な筋肉の硬直が神経圧迫を引き起こした症例。
まとめ
「レントゲン・MRI異常なし」と診断されても、坐骨神経痛は筋肉の硬直が原因で起こることが多くあります。鍼灸治療は、画像検査では映らない深部筋に直接アプローチできるため、薬では改善しにくい痛みやしびれに有効です。原因がわからず長引く症状でお悩みの方は、ぜひ鍼灸治療を選択肢の一つとして考えてみてください。