骨切り手術後に顔面神経麻痺!? 原因と鍼灸でできるケア

こんにちは。
「両顎手術」や「輪郭3点(エラ・頬骨・オトガイ)骨切り手術」は、小顔やシャープなフェイスラインを目指して人気のある美容外科手術です。最近は韓国で手術を受ける方も増えています。
ただし、手術後に「顔が動かしにくい」「笑顔が左右で違う」「口や目が動かしづらい」といったトラブルが起こることがあります。これは「顔面神経麻痺」と呼ばれる状態です。
今回は、なぜ骨切り手術後に顔面神経麻痺が起こるのか、そして鍼灸でどのようにサポートできるのかをご紹介します。
もくじ
骨切り手術後によくある症状

- 口角が片方だけ下がる
- 目が閉じにくい、乾く
- 顔が左右非対称になる
- 食べ物や飲み物がこぼれる
- 表情が不自然になる
これらは、顔面神経麻痺や感覚麻痺と言われるもので、手術後すぐに現れることもあれば、数日後、あるいはしばらくしてから出てくることもあります。
両顎・輪郭3点手術でなぜ顔面神経麻痺が起こるの?

顔の骨を削ったり、切ったりする手術では、皮膚のすぐ下を走る大事な神経にも影響が及ぶ可能性があります。とくに注意が必要なのが「顔面神経」や「下歯槽神経」など、感覚や運動をつかさどる神経です。顔には多くの神経が走っており、とくに表情や感覚をつかさどる神経は皮膚のすぐ下や骨の近くを通っているため、骨を切ったり削ったりする際に影響を受けやすいのです。
麻痺の原因
- 神経損傷(切断・裂傷)
骨を切る際に、誤って神経に直接ダメージが加わることがあります。とくに下顎の手術では下歯槽神経、あご先の手術ではオトガイ神経が損傷を受けやすいといわれています。 - 神経圧迫や腫れ
手術後の腫れや出血、組織のむくみによって、神経が一時的に圧迫されることでも麻痺は起こります。 - 血流不足
神経は血液によって栄養や酸素を供給されています。手術中に血流が阻害されると、神経の機能が一時的に落ちることがあります。
顔面神経麻痺は治るの?
「しばらくしたら自然に治る」と言われることもありますが、回復スピードや度合いは人によって異なります。軽度なものなら数週間~数か月で改善することもありますが、重度では半年〜1年以上かかったり、後遺症が残るケースもあります。
そんなときこそ、鍼灸施術による自然なケアが力を発揮します!
鍼灸による主な効果

- 血流を促進し、神経の再生を助ける
鍼をすることで血行が改善し、損傷した神経に酸素や栄養が届きやすくなります。 - 神経の伝達を整える
顔面神経や関連ツボへの鍼刺激で、神経伝達の正常化をサポートします。 - 筋肉のこわばりをほぐす
筋肉の緊張をゆるめ、左右のバランスを整えます。 - 自律神経の安定
鍼灸は副交感神経を優位にし、リラックスモードに導きます。
近年の研究では、親知らずの抜歯や顎の骨切り手術後に生じる感覚麻痺に対し、鍼灸が回復を促す効果が報告されています。研究数はまだ限られていますが、術後の神経麻痺に対する有望なケアの一つと考えられています。
鍼灸はいつから受けるのがいいの?
手術後すぐは腫れや炎症が強いため、まずは体の回復を優先しましょう。鍼灸は炎症が落ち着いた2〜3週間以降の安定期から受けるのが安心です。
症状が強い場合や慢性化している場合も、なるべく早めのケアが回復のカギとなります。
まとめ
両顎手術や輪郭3点骨切り手術は、美容やコンプレックスの解消に効果的ですが、顔面神経麻痺のリスクも伴います。鍼灸は「切らない」「薬を使わない」「体にやさしい」ケアとして、自然な回復力を引き出します。
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この記事を書いた人

鍼灸師 大平洋子(おおひら ようこ)
中国鍼灸院 箱嶌医針堂にて美容鍼・女性疾患などを主に担当しています。
鍼灸や美容に関するブログを書いています。
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「ブログ:キレイになるツボお伝えします!」