大人の蕁麻疹(じんましん)の原因と鍼灸施術|ストレスと自律神経を整えて改善
肌がかゆく赤くなり、気がつくとブツブツと盛り上がる…そんな蕁麻疹(じんましん)に悩んだことはありませんか?
大人の蕁麻疹はストレスや疲労、生活習慣の乱れが深く関わることも多く、薬を飲んでも改善しにくいケースがあります。
そのような場合は、体の内側から不調を整える視点が大切です。
本記事では、蕁麻疹の基本的な仕組みや原因を分かりやすく解説し、大人に多いタイプをご紹介します。
また、薬だけでは改善が難しい場合に鍼灸による自律神経ケアによる改善例をお伝えします。
もくじ
蕁麻疹(じんましん)とは
蕁麻疹(じんましん)とは、皮膚の一部が赤く盛り上がり、短時間で消える症状のことをいいます。
蚊にさされたときのような皮膚の膨らみが現れ、強いかゆみやヒリヒリとした灼熱感を伴うのが特徴です。
一時的な反応のため、時間が経つと跡を残さず消えていきます。
多くの場合は皮膚に症状が出ますが、まれに喉の粘膜が腫れることがあります。
その場合は声がかすれたり、重症時には呼吸困難を引き起こすこともあり、注意が必要です。
蕁麻疹(じんましん)ができる原因

蕁麻疹(じんましん)は、かゆみを引き起こすヒスタミンという化学物質が、
何らかのきっかけで体内に放出されることで毛細血管が拡張し、皮膚が赤く腫れて発症すると考えられています。
蕁麻疹が起こる原因には、さまざまなタイプがあります。
- 原因1 ストレス・疲労・日内リズムの変動・発汗
ストレスや疲労による蕁麻疹は慢性化しやすく、「慢性蕁麻疹」と呼ばれます。
また、汗をかいた後に発症するものは「コリン性蕁麻疹」といいます。 - 原因2 食物・食品添加物
食べ物が原因の場合、アレルギー性と非アレルギー性に分かれます。
人工色素や防腐剤など、食品添加物も原因になることがあります。 - 原因3 物理的刺激
摩擦や圧迫、寒さや熱、日光、水、振動などによるものは「物理性蕁麻疹」と呼ばれます。 - 原因4 病気や感染症
細菌やウイルス感染によって急性蕁麻疹が起こることがあります。
また、膠原病や血管炎などの一部として症状が出る場合もあります。 - 原因5 植物・薬剤
特定の植物や薬剤がアレルギー反応を引き起こすことで蕁麻疹が現れる場合があります。
NSAIDs(解熱鎮痛薬)や造影剤による「イントレランス」も含まれます。
大人の蕁麻疹(じんましん)の原因
蕁麻疹(じんましん)は、大人・子どもを問わず原因がはっきりしないことが多い症状です。
特に大人の場合はストレスが大きな要因と考えられます。
ただし、ストレスそのものが直接の原因ではありません。
ストレスが身体に影響を与え、蕁麻疹が起こりやすい状態に変えてしまうと考えられています。
また、免疫力や抵抗力が低下しているときに、食べ物などをきっかけに発症することもあります。
日頃から生活習慣の見直しやストレス解消を心がけることが、予防につながります。
大人の蕁麻疹(じんましん)の鍼灸施術
ストレスによる蕁麻疹は自律神経の乱れが関わることも多いため、鍼灸施術で自律神経を整えます。
また、痒みや痛み、熱症状を抑えるツボに鍼やお灸をして症状緩和を図ります。

症例
蕁麻疹は、症状の出方や原因に個人差が大きく、薬だけではなかなか改善しにくい場合があります。
多くのケースでは、自律神経の乱れが関係していると考えられます。
鍼灸施術によって自律神経のバランスを整えることで、症状が軽くなったり、発症しにくい体質へと導くことが期待できます。
効果には個人差がありますが、薬だけで改善が難しい場合は、鍼灸治療を併用することも有効な選択肢の一つです。
慢性蕁麻疹|夜間のかゆみ
■35歳女性
半年前から、仕事終わりや夜間に全身に赤い発疹が出現。
強いかゆみで夜中に何度も目が覚め、疲労が蓄積。
皮膚科で抗ヒスタミン薬を服用するも症状は完全にはおさまらず、繰り返し発症していた。
仕事のストレスで肩こりもひどく、自律神経の乱れを自覚している。
鍼灸では肩こりと自律神経を整える施術を行い、全身の巡りを改善。
週1回の施術を3回行ったところ、肩こりが軽減し夜間のかゆみで目覚めることが減少。
1か月後には発疹が出る頻度が半分以下に減少。
その後も継続施術で再発を防ぎながら、自宅でセルフお灸を継続している。
コリン性蕁麻疹|入浴後のかゆみ
■25歳男性
数年前から、入浴後に胸・お腹・腕に細かい赤い発疹が出現。
症状が出ない時期もあったが、ここ最近はチクチクとした強いかゆみを伴い、発疹は5~10分で自然消退するものの、ほぼ毎日のように繰り返していた。
皮膚科で「コリン性蕁麻疹」と診断され、薬を服用したが十分な改善がみられず来院。
元々胃腸が弱く、自律神経が乱れやすい体質。
鍼灸では胃腸機能の調整と自律神経バランスを整える目的で週1回の施術を行う。
初回~数回は大きな変化はなかったが、4回目の施術後から入浴後の発疹が徐々に軽減。
2か月後には症状が出ても軽度で治まり、日常生活が過ごしやすくなった。
蕁麻疹(じんましん)におすすめのツボ

蕁麻疹(じんましん)におすすめのツボは曲池です。
肘を曲げた時にできるシワの端にあります。
曲池は熱を鎮める作用があり、痒みや熱感を伴う症状に効果的です。
ツボの場所とセルフお灸
当院のインスタグラムで紹介しています。
まとめ
蕁麻疹(じんましん)は皮膚が赤く盛り上がり、痒みや灼熱感を伴いますが、一時的で消えるのが特徴です。
原因はストレス、疲労、食物、皮膚刺激、病気、薬剤など様々です。
特に大人の蕁麻疹はストレスの影響が大きく、自律神経の乱れと関連します。
鍼灸施術で自律神経を整え、症状を緩和することが可能です。
夏は「コリン性蕁麻疹」や「アレルギー性蕁麻疹」が出やすいため、普段から鍼灸で身体を整えるのもおすすめです。














