顔面痙攣と肩こり、関係あるの?症状をやわらげるセルフケアと対策

実は、顔面痙攣と肩こりを同時に抱えている方は少なくありません。臨床の現場や研究報告でも、この2つの症状が無関係ではないことが示されています。
この記事では、顔面痙攣と肩こりのつながりと、症状を和らげるための現実的なケア方法についてわかりやすく解説します。
もくじ
顔面痙攣とは?主な原因と特徴
顔面痙攣とは、顔の片側が自分の意思とは関係なくピクピク動いてしまう神経トラブルです。多くの場合「片側顔面痙攣」と呼ばれ、次のような症状が現れます。
- まぶたのけいれん(目の周りのピクつき)
- 顔が勝手に引きつる
- 表情がコントロールしにくい
医学的には、顔面神経が脳幹の根元付近で血管に圧迫されることが主な原因とされています。
■顔面痙攣の主な治療法
- 薬物療法:抗けいれん薬などで症状を抑える
- ボツリヌス療法:ボトックス注射で筋肉の動きを一時的に抑制
- 外科手術(微小血管減圧術):原因となる血管の圧迫を取り除く根治的治療
薬物療法は長期服用で副作用や効果の持続性に限界があり、ボツリヌス療法は数か月ごとの再注射が必要で、繰り返すうちに注射の効果が効きにくくなる方がいます。また、外科手術は効果が期待できますが、全身麻酔や合併症のリスクを伴います。
そのため、より体への負担が少ない方法で顔面痙攣の改善を目指す方も少なくありません。
肩こりと顔面痙攣の“つながり”
顔面痙攣の方を施術していると、多くの方に共通することがあります。それは首肩こりです。
首肩こりが直接的な原因ではありませんが、肩こりや首こりが酷くなると顔面痙攣を悪化すると感じる人、また元々首肩こりが酷い人がいます。
■関連があると考えられる理由
- 首や肩の筋緊張が顔の筋肉に影響しやすい
- 姿勢の悪さやストレスが共通の悪化要因になる
- 頸肩部の施術で顔のけいれんが軽くなった症例がある
予防・改善のためのケア方法
1. 姿勢の見直し
- 長時間の前傾姿勢を避ける
- PCやスマホ作業時は画面を目線の高さに合わせる
- デスク環境を整える
2. 肩こりをほぐすストレッチ・体操
- 肩甲骨まわりの回旋運動
- 首の横倒しストレッチ
- 深呼吸とともに行うと効果的
4. 生活習慣とストレス対策
- 十分な睡眠時間の確保と質の向上
- 無理のない有酸素運動
- リラックスできる時間(読書・入浴・趣味の時間など)を意識的に作る
3. 鍼灸などの活用
- 鍼灸では症状に応じたツボに鍼灸治療を行い、首肩こりをゆるめ、自律神経の調整や血流改善を目指す
- 整体で姿勢改善や筋肉のバランス調整を行い、全身の緊張を緩和
鍼灸は顔面痙攣に効果が期待できる?
顔面痙攣に鍼灸が効果があるのか?効果があるなら受けてみたいと思われる方もいらっしゃると思います。
近年の研究や症例報告では、鍼灸がこの顔面痙攣の症状をやわらげる可能性があることがわかってきています。
(出典:Zhang J. et al., Medicine (Baltimore). 2022)
(出典:Horibe G. et al., Cureus. 2024)
(出典:Aizawa T. et al., Jpn J Acupunct Man Med. 2000)
鍼灸治療がすべての方に同じ効果があるわけではありませんし、改善が難しい方はいます。ただ、「薬やボトックス注射もして、最後手段である手術は不安」「体にやさしい方法を試してみたい」という方にとって、鍼灸は有望な選択肢のひとつになりえます。
顔面痙攣の鍼灸の流れと特徴
鍼灸治療では、顔そのものだけでなく、首や肩のこりを和らげることを重視します。
具体的には、首肩まわりや手足のツボ(例:風池・肩井など)を刺激して筋緊張をほぐし、
血流と自律神経のバランスを整えます。これにより、顔面神経周囲の環境が改善され、痙攣症状の軽減や再発予防につながる可能性があります。
首肩こりの改善は、日常生活での疲労感や姿勢の崩れの予防にもなり、全身の健康にも良い影響をもたらします。
「顔面痙攣だから顔だけを治療する」のではなく、全身のつながりを意識したアプローチが、鍼灸の大きな特徴です。
まとめ|肩こり改善が顔面痙攣ケアにつながる
顔面痙攣の根本原因は顔面神経への血管圧迫ですが、肩こりや首こり、姿勢の乱れ、ストレスといった要因が症状を悪化させることがあります。
首肩の緊張を和らげ、血流や自律神経のバランスを整えることは、症状の軽減や再発予防につながる可能性があります。
- 生活習慣の見直し(姿勢・睡眠・運動)
- 肩首のケア(ストレッチ・鍼灸・整体)
- 必要に応じて医師への相談
鍼灸治療では首肩こりを緩め、全身の巡りを意識したケアを組み合わせることで、顔面痙攣のつらさをやわらげ、日常生活をより快適に過ごせる可能性があります。