胸郭出口症候群の鍼灸治療|腕のしびれ改善

デスクワークや同じ姿勢が続くと、肩から腕、指先にかけて「ジンジン・ピリピリ」することはありませんか?
その原因のひとつが胸郭出口症候群です。
本記事では、症状の仕組みと鍼灸での改善アプローチ、さらに当院の症例をご紹介します。
早めに正しいケアを知ることで、つらい症状の再発予防にもつながります。
胸郭出口症候群は、首や肩まわりの神経・血管が圧迫されて起こり、肩から腕、指先にかけて痛みやしびれが現れます。
本記事では、胸郭出口症候群の原因や特徴、鍼灸治療のポイントに加え、実際の症例をわかりやすく解説します。
胸郭出口症候群とは

首から肩、腕、指先にかけての痛みやしびれを起こす症状のひとつに、胸郭出口症候群があります。
デスクワークなど同じ姿勢が長く続くと悪化しやすく、特に20~30代のなで肩の女性に多く見られます。
発症の背景には、首から肩へ向かう神経・血管が通る「隙間(通り道)」の狭まりがあります。姿勢の崩れや筋肉のこわばりで圧迫が生じ、血流や神経の働きが低下します。中でも首の横にある斜角筋が硬くなると、その間を走る腕神経叢や血管が圧迫されやすくなります。
起こりやすい状況
- 長時間のデスクワーク/猫背・ストレートネック
- 肩まわりの筋力低下や「なで肩」体型
主な症状
- 肩こりとは異なるしびれ・痛み(首~腕~指先)
- 腕の重だるさ、細かい作業のしにくさ、冷え感
- 同じ姿勢を続けると症状が悪化しやすい
胸郭出口症候群の鍼灸治療

胸郭出口症候群では神経や血管の圧迫により、痛みやしびれが生じます。鍼灸では、圧迫の原因となる首や肩まわりの緊張をゆるめ、血流と神経の働きを整えることを目的に施術します。
施術の目的
- 首・肩の筋緊張を緩和し、神経・血管の通り道の圧迫を軽減
- 血流を改善し、しびれ・痛みの原因となる循環不良を是正
- 神経の伝達を整え、日常動作の違和感を軽減
主なアプローチ
特に重要なのは、神経の通り道に関わる首まわりの深い筋肉(斜角筋など)です。これらはマッサージでは届きにくく、表面だけをほぐしても根本改善につながりにくい部位です。鍼灸はツボを通じて深部へ直接アプローチできるため、しびれや重だるさの原因となる深層の筋緊張を効率的に緩めることができます。
- 斜角筋・鎖骨周囲などの深層筋へのピンポイント施術
- 鎖骨~肩~腕~手先へ連なる経絡上のツボ刺激で全体の巡りを調整
期待できる変化
- 首・肩・腕・指先のしびれ・痛みの軽減
- 肩や腕の重だるさの改善、可動域の向上
- 細かい作業・日常動作のしやすさ向上
- 血行不良による冷えの軽減
施術を重ねることで、日常生活での動作が楽になり、「肩や腕の重だるさが減った」「細かい作業がしやすくなった」といった変化を感じる方が多くいらっしゃいます。
症例紹介
患者:30代女性(福岡市在住)
- 主訴:左の首〜指先の痛み・しびれ・不快感(発症から3ヶ月)
- 診断:胸郭出口症候群
来院までの経過:
- 整形外科・神経内科での治療、リハビリ、投薬、整体で徐々に改善
- 日常生活に支障が出るしびれが残存し、不安な日々が続く
- 福岡市内へ転居を機に、新しい治療先として当院を受診
初診所見:首・鎖骨周囲の筋肉に強いこわばりを認め、神経や血流の圧迫が示唆される状態。
施術と経過:
- 鍼灸で首のこわばり部位(斜角筋など)を丁寧にゆるめるアプローチを実施
- 初回後3日:痛み・しびれがほとんど消失
- 2回目の翌日:さらに軽快し、「これほど効果を実感したのは初めてです」との感想
現在の状況・方針:
- 症状の安定と再発予防を目的に、継続施術とセルフケアを併用
- 「元通りの生活に早く戻れる希望が持てるようになった」との声
鍼灸治療の感想

まとめ
胸郭出口症候群は、深部筋のこわばりが神経・血管を圧迫して起こりますが、鍼灸で深層までアプローチすることで改善が期待できます。
症状が軽いうちに施術を開始し、姿勢・生活習慣の見直しとセルフケアを併用することが大切です。
肩や腕のしびれ・痛みでお悩みの方は、ぜひ当院へご相談ください。