耳の中が痛いに効くツボ

「耳の中が痛い」「圧迫されるような感じがする」「耳の奥に違和感がある」といった症状を訴える方が、当院にも多く来院されています。
耳鼻科で検査を受けても明らかな異常が見つからないケースでは、原因が分からず不安が続くことがあります。そのような方が、鍼灸治療を受けに来られます。
この記事では、耳の中が痛くなる原因や首肩こり・自律神経との関係、耳の痛みに効果的なツボ、そして鍼灸治療による改善方法や実際の症例について詳しく解説します。
耳の奥の痛みや違和感に悩んでいる方が、原因を理解し、改善に向けて一歩を踏み出すための参考になる内容となっています。
耳の中が痛くなる原因
中耳炎など耳内の炎症のほか、メニエール病・突発性難聴・顎関節症・片頭痛・後頭神経痛・咽頭炎などが挙げられます。
一方で、首肩のこりや顎の緊張、ストレスによる自律神経の乱れでも耳の痛みや圧迫感・違和感が出ることがあり、その場合は検査で異常が見つからないことが多いです。
耳の中が痛いときに用いる代表的なツボ

- 翳風(えいふう):耳たぶの後ろ、付け根のくぼみ。
- 完骨(かんこつ):耳の後ろの骨(乳様突起)下端のくぼみ。
- 和髎(わりょう):耳の上のこめかみ付近、髪際あたり。
- 下関(げかん):頬骨の下、口を開けるとへこむ所。
以上のツボをご自身で、心地よい程度の刺激で指圧してみましょう。
鍼灸治療

首・肩・顎の筋緊張をゆるめて血流を改善し、翳風・完骨・和髎など耳周囲のツボへ施術します。全身調整として合谷・太衝などを用いて自律神経のバランスを整え、必要に応じて咬筋や顎関節周囲にもアプローチします。
症例:耳の奥がズーンとした痛み
30代女性
症状:事務作業が多く、2週間前から右耳の奥に鈍痛。耳鼻科で異常なし。強い首肩こりと眼精疲労・顎関節症、自覚的なストレスと睡眠不足あり。
施術:胸鎖乳突筋・後頭部・咬筋の緊張と、翳風・完骨・和髎の圧痛を確認。これらの筋緊張(こり)が神経に影響し痛みを生じていると考え、耳周囲と全身のツボを組み合わせて施術。
経過:1回目翌日に痛み半減、3回目でほぼ消失。5回目終了時には耳の痛み・首肩こりともに大幅改善。
耳鼻科で異常がない耳の奥の痛みは、首肩や顎の緊張、自律神経の乱れが背景にあることがあります。鍼灸は筋肉を緩め、血流と神経バランスを整え、こうした症状の改善に有効です。
まとめ
耳の中の痛みや圧迫感は、中耳炎など耳そのものの病気だけでなく、首肩のこりや顎関節の緊張、ストレスによる自律神経の乱れが関わっている場合も少なくありません。
耳鼻科で異常が見つからない耳の奥の痛みは、鍼灸治療による血流改善や神経バランスの調整が有効です。症状がなかなか改善しない方は、ぜひ一度鍼灸をお試しください。