坐骨神経痛



福岡で坐骨神経痛にお悩みの方へ。専門の鍼灸で日常生活のつらさの改善を目指します。
当院の坐骨神経痛治療は、中国で学んだ専門的な鍼灸技術を用いて行います。痛みに効果的なツボを的確に刺激することで、腰から足先にかけての痛みやしびれを和らげ、症状の改善を目指します。
当院は鍼灸学会での研究発表も行っており、福岡市内だけでなく県外からも多くの患者さまにご来院いただいております。
この記事では、坐骨神経痛の原因や症状、痛みのタイプをわかりやすく解説しています。
また、中国鍼灸による施術の特徴や通院の目安、実際の症例や再発予防法についても詳しくご紹介します。
福岡で坐骨神経痛に悩む方が、安心して鍼灸治療を受けてもらえるような内容となっています。
坐骨神経痛とは

坐骨神経は、腰椎から出てお尻、太ももの後ろ、膝、ふくらはぎ、足先まで伸びている末梢神経です。この神経に沿って起こる痛みやしびれを「坐骨神経痛」と呼びます。
【主な坐骨神経痛の症状】
- 腰やお尻から太もも、すね、足にかけての痛み・しびれ
- 坐骨神経に沿って押すと強い痛みがある
- 立ち上がる・歩く・座るといった動作で痛みが悪化する
- 歩行が困難になり、眠れないほどの痛みやしびれが出る場合もある
痛み・痺れる部位から見た坐骨神経痛のタイプ
坐骨神経痛による痛みやしびれは腰・お尻から下肢にかけてですが、4タイプに分類することができます。

【後側型】腰・お尻と太もも・ふくらはぎにかけての痛みやしびれ
【前側型】腰・お尻とすねにかけての痛みやしびれ
【外側型】腰・お尻とすね外側にかけての痛みやしびれ
【複合型】上記3つの型の症状があるもの
坐骨神経痛の原因とは

坐骨神経痛の原因は、大きく分けて3つあります。一般的には①背骨の問題と②筋肉の問題が多く見られます。
- 背骨の問題:椎間板や変形した骨が坐骨神経を圧迫し、痛みやしびれが発生します。
- 筋肉の問題:腰やお尻の筋肉が緊張して坐骨神経を圧迫し、痛みやしびれを引き起こします。
- 内臓などの問題:糖尿病や腫瘍など、内臓やその他の疾患が原因で痛みやしびれが出ることもあります。
意外に多い筋肉の問題(トリガーポイント)

ぎっくり腰やハードな運動、長時間のデスクワークなどで筋肉が疲労すると、強いコリが生じます。このコリが「トリガーポイント」と呼ばれ、この症状の大きな原因となります。
特に、筋肉が原因のケースはMRIなどの精密検査では異常が見つからないことが多く、「検査では異常なし」と言われた例も、このタイプである可能性が高いです。
筋肉が関わるタイプは痛みが強く、腰・お尻・太もも・ふくらはぎ・足首まで広範囲に症状が広がるのが特徴です。

椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、背骨の変形が原因と診断された場合でも、実は筋肉の緊張が症状を悪化させているケースは少なくありません。
背骨が不安定になると、腰やお尻の筋肉が骨を守るために過度に緊張し、さらにコリを生み出します。その結果、血流が悪化し「痛み→筋肉緊張→さらに痛み」という悪循環が起こります。
中国鍼灸治療では、この筋肉の緊張を和らげ、血流を改善することで症状の根本改善を目指します。
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坐骨神経痛とツボの関係|鍼灸の活用

身体には361個のツボが存在するとされ、東洋医学ではこれらのツボを活用して鍼やお灸で施術を行います。
この痛みでは、坐骨神経に沿ったツボがよく使われます。発症時には、図の●印周辺を指で押すと特に強い痛みを感じることがあります。

特に重要なツボは次の部位です。
- お尻まわり:胞肓(ほうこう)、環跳(かんちょう)
- 下肢まわり:承山(しょうざん)、崑崙(こんろん)
これらのツボは、症状が重い人ほど押したときの痛みが強く、複数のツボが反応します。一方、症状が軽い場合や慢性的に再発を繰り返す方では、痛みを感じるツボが少ない傾向にあります。
坐骨神経痛の福岡中国鍼灸治療

中国鍼灸では、坐骨神経に向けて鍼を刺入し、お尻・太もも・ふくらはぎ・すね・足の裏まで広がる神経を直接刺激します。
硬くなった腰や太ももの筋肉をゆるめ、坐骨神経周辺の血流を促進することで、神経根や坐骨神経に生じた炎症やむくみを軽減し、早期改善を目指します。
施術では「秩辺」「環跳」などの重要なツボを使用します。これらのツボの近くには坐骨神経や陰部神経が存在しており、効果的にアプローチできます。

鍼を刺す際の痛みはほとんどありませんが、原因となる部位にしっかり届くと「ズーン」と重い響きを感じることがあります。
福岡県内外でさまざまな施術を受けても改善しなかった方、手術を検討している方は、一度中国鍼灸をお試しください。※女性の方には施術着をご用意しておりますのでご安心ください。
鍼灸施術効果

坐骨神経痛は、原因や症状の程度によって改善までのスピードが異なります。急性症状は慢性症状に比べて治りが早く、軽度の痛みは重度の痛みに比べて回復がスムーズです。
急性の場合や痛みが強い場合は、施術間隔をあけずに行うことが重要です。特に最初の1~5回は毎日または隔日で施術すると効果的です。
慢性の場合は週1~2回のペースでじっくり施術を行います。施術の間隔が空きすぎると、症状の改善までに時間がかかる傾向があります。
福岡県外など遠方からお越しの方は、来院できる範囲で継続的に施術を受けることをおすすめします。
週2~3回の鍼治療を行った場合、症状が落ち着くまでの目安(※効果には個人差があります)
- 腰部・お尻の筋肉の緊張や軽度の椎間板ヘルニアが原因 … 1~3回程度で痛み・しびれが改善
- 椎間板ヘルニアや筋肉・神経の複合的な原因 … 3~10回程度で痛み・しびれが改善
- 椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、椎間板症などが原因 … 10~20回程度で痛み・しびれが改善
症状改善後

坐骨神経痛の症状が改善した後は、再発防止と現状維持がとても大切です。
一般的には改善後に鍼灸施術を続ける必要はありませんが、デスクワークなどで腰や坐骨神経に負担がかかる生活をしている場合は、疲れがたまると再発する可能性があります。
「少し違和感があるな」と感じた時点で施術を受けることで、症状の悪化や再発を未然に防ぐことができます。
福岡県内にお住まいの方は、早めの受診で症状がひどくならずに済みます。
急性の坐骨神経痛の場合

筋肉のみが原因で起こる急性のケースは、症状が改善すれば施術を続ける必要はありません。
ただし、長時間の同じ姿勢やハードな運動が原因の場合は、生活習慣を見直すことが再発予防の鍵となります。
自宅でのストレッチやお灸、そして月1~2回程度のメンテナンス施術を組み合わせることで、再発を防ぐことができます。
慢性の坐骨神経痛の場合

椎間板変性症や脊柱管狭窄症が原因の慢性的な坐骨神経痛は、週1回~2週に1回程度の施術を継続して行います。
さらに、自宅でのお灸やストレッチを取り入れることで、症状の改善・現状維持・再発予防につながります。
お灸を行うツボやストレッチ方法は、当院で丁寧に指導いたしますので安心して取り組めます。
症例
当鍼灸院では、これまで多くの坐骨神経痛の患者さまを施術してきました。ここでは、坐骨神経痛の主な原因である1. 筋肉、2. 椎間板ヘルニア、3. 脊柱管狭窄症の3つに分けて、代表的な症例をご紹介します。
- 【原因別・症例】
- 1. 筋肉・トリガーポイントなどの問題
- 2. 椎間板ヘルニアなど
- 3. 脊柱管狭窄症など
1.筋肉の問題による坐骨神経痛
① ぎっくり腰から始まった坐骨神経痛
【患者】31歳 男性 運送業 福岡市在住
【主訴】両下肢のしびれ
【状況】1ヶ月ほど前の6月末、荷物を持ち上げた際に腰へ激痛が走り、ぎっくり腰のような状態に。福岡市内の整形外科で鎮痛剤・湿布を処方されるが痛みは軽減せず、その後、お尻から太もも外側、ふくらはぎ外側にかけて痛みとしびれが広がる。7月末頃からは立つこともできず、1週間ほど横向きで寝たままの状態が続く。
【鍼灸施術経過】8月2日から施術開始。
・第1回:両下肢のしびれが半減
・第2回(4日目)、第3回(6日目):施術ごとに症状が改善
・第4回(7日目):両下肢ともほぼしびれ消失
・第5回(10日目):左お尻の痛みも消失し終了/その後、再発なし。

施術前の痛みを「10」としたとき、施術ごとの痛みの減少をグラフ化。初回で痛みが半分になり、回を重ねるごとに症状が改善。
② 特に思い当たる原因もなく始まった坐骨神経痛
【患者】44歳 男性 営業職 福岡市在住
【主訴】右お尻~太もも裏の鈍痛
【状況】約2ヶ月前から右お尻と太もも裏に鈍痛が出現。座ったり立ち上がる動作で痛みが強くなる。営業職のため、長時間のデスクワークや運転が多い。

【鍼灸施術経過】
・第1回:施術直後は右下肢に重だるさが出るが、しばらくして軽減
・第2回:痛みが7~8割改善
・第3回:ほぼ痛みが消失、施術終了
③ 尻もちをついてから始まった坐骨神経痛
【患者】59歳 女性 主婦 福岡市在住
【主訴】左下肢の痛みとしびれ、座ると痛みが出る
【状況】2週間前にお風呂場で転倒し尻もちをついた後、左足に激しい痛みとしびれが発生。特に座ると強く痛む。福岡市内の整形外科でMRI検査を受けると、「骨と骨の間が狭くなっている(椎間板ヘルニアの疑い)」と診断。牽引・ブロック注射・マッサージを行うも改善せず、当院を受診。

【鍼灸施術経過】
・7月13日:施術開始
・7月20日(5回目):長時間座ることが可能に
・8月25日(15回目):足の痛みはほぼ消失。その後、腰の施術を数回追加し終了。再発なし。
2.椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛
① ぎっくり腰から椎間板ヘルニアに進行
【患者】35歳 女性 事務職 福岡市在住
【主訴】すねの外側から外くるぶしにかけて激痛で眠れない
【状況】3ヶ月前にぎっくり腰を発症し、その後腰やお尻に違和感が続いていた。3日前、突然すねの外側から外くるぶしにかけて激痛が出現。福岡市内の病院で検査を受けた結果、L5–S1の椎間板ヘルニアと診断。痛み止めを服用しながら様子を見るも、夜は激痛で30分も眠れない状態。

【鍼灸施術経過】
・初回施術後:その夜は1時間眠れるように
・数回施術後:痛みが徐々に軽減し、眠れる時間も延長
・7回目終了時:ほぼ痛みが消失し施術終了
② 長時間のデスクワークが原因で悪化
【患者】40歳 男性 事務職 福岡県春日市在住
【主訴】腰・右お尻・太もも裏・ふくらはぎ・足の裏の痛みとしびれ
【状況】半年前から腰に鈍痛があり、整形外科でL4–5、L5–S1の椎間板ヘルニアと診断。最近は5分立つだけで右足全体がしびれるようになり、ブロック注射を数回受けるも効果なし。

【鍼灸施術経過】
・3回目までは大きな変化なし
・4回目以降:痛みが徐々に軽減し、夜も眠れるように
・7回目:痛みが半減
・9回目:立っていても耐えられる程度まで改善
・13回目:ほぼ問題なく日常生活を送れる状態に回復し、施術終了
その後も再発はなく、腰に違和感がある時のみ予防的に施術を実施。
③ 椎間板ヘルニア手術を回避できた症例
【患者】58歳 男性 教師 福岡市在住
【主訴】腰・右お尻・ふくらはぎ・足の小指側の痛みとしびれ
【状況】10年前から100m歩くとふくらはぎに痛みが出るが軽度のため放置。1ヶ月前から強い痛みとしびれが腰からふくらはぎに出現。MRIでL4–5、L5–S1の椎間板ヘルニアと診断。入院のうえ点滴・ブロック注射を行うも改善せず、手術を勧められるが回避したく当院受診。

【鍼灸施術経過】10回の施術で以前ほどの痛みがなくなり、手術を回避。1年後に腰痛が再発しかけたが、強い坐骨神経痛は出現せず維持できている。
3.脊柱管狭窄症や椎間板症など骨の変形による坐骨神経痛
① 脊柱管狭窄症による坐骨神経痛
【患者】56歳 男性 建築関係 福岡県久留米市在住
【主訴】右足すね外側の痛み
【状況】特に原因が思い当たらず、数十メートル歩くとスネ外側に痛みが出現。しゃがんで休むと痛みがやわらぎ再歩行可能。福岡県内の整形外科で脊柱管狭窄症と診断されるも、牽引などでは大きな改善なし。

【鍼灸施術経過】
・6回目までは大きな変化なし
・7回目以降:痛みが出るまで歩ける距離が徐々に延びる
・15回目:1km歩けるように改善
・20回目以降:平坦な道ではほぼ問題なく歩行可能
現在は現状維持のため、2週に1回程度の通院を継続。
② 骨の変形(変形性脊椎症)による坐骨神経痛
【患者】62歳 男性 無職 福岡市在住
【主訴】腰から足首にかけての痛みとしびれ
【状況】15年前に軽いヘルニアと診断。3年前から痛みが悪化し、MRIで骨の老化が原因と判明。福岡市内でカイロプラクティックを受けるも根本改善は見られず。腰におもりをぶら下げているような重だるさが常にあり、数十メートル歩くと両足がしびれて歩けなくなるため、杖をついて来院。

【鍼灸施術経過】
・初期:週2回施術を実施
・1ヶ月後:痛みが軽減。強い時で以前の8割、軽い時で4割程度に減少。来院時には杖が不要になるほど改善。
・半年後:施術30回でほぼ痛みが消失、施術終了。現在は自宅でお灸を継続。終了から半年後も再発なし。
中国鍼灸が適応・不適応な坐骨神経痛

中国鍼灸治療は以下のような坐骨神経痛に適応します。
- 大腰筋・梨状筋症候群など筋肉が原因の坐骨神経痛
- 椎間板ヘルニア・椎間板変性症・脊柱管狭窄症など背骨が原因の坐骨神経痛
ただし、効果の出方は症状や生活習慣によって大きく異なります。完全に症状が消失する場合もあれば、改善までに時間がかかるケースもあります。
一方、鍼灸治療では改善が難しい不適応の坐骨神経痛もあります。
- 大小便がコントロールできないほど重度の椎間板ヘルニア
- 内臓疾患が原因の坐骨神経痛
上記の場合は、福岡県内外の医療機関での適切な治療をお受けください。
福岡中国鍼灸院の坐骨神経痛治療Q&Aとブログ
中国鍼灸による坐骨神経痛についてのよくある質問は
→ 坐骨神経痛治療Q&A をご覧ください。
また、「鍼灸施術を受けてみたいけど不安…」という方は、お電話やメールでお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

医学博士・鍼灸師 箱嶌 大昭(はこしま ひろあき)
中国・北京にて日本人初の医学博士を取得後、福岡・天神で「中国鍼灸院 箱嶌医針堂」を開業。肩こり・腰痛などの一般症状から、自律神経失調症や気象病による体調不良まで幅広く診療。
「坐骨神経痛は鍼灸で改善が期待できることがありますので、お気軽にご相談ください。」 → 院長の経歴・あいさつ