鍼灸院って何をするところ?施術内容や整骨院との違いを徹底解説
鍼灸院って何をするところ?施術内容や整骨院との違いを徹底解説
福岡の鍼灸院

鍼灸院って何をするところ?施術内容や整骨院との違いを徹底解説

鍼灸院の外観イメージ:はじめての方に向けた案内
鍼灸院って何をする場所?整骨院・マッサージとの違いも解説

「鍼灸院って何をする場所なの?」
「整骨院やマッサージとどう違うの?」

初めて行く方にとっては、鍼灸院でどんな施術をするのかイメージがつきにくいですよね。
自分の症状、病気は鍼灸の適応なのか分からない方もいらっしゃると思います。
この記事では、鍼灸院で受けられる施術内容・特徴・対応できる症状・他の施術院との違いをわかりやすく解説します。

鍼灸院とは?何をするところ?

鍼灸施術風景:国家資格者による鍼と灸の治療の様子

国家資格者が鍼や灸を用いて体のバランスを整えます

鍼灸院は、鍼(はり)や灸(きゅう)を使って、体の不調を整える施術を行うところです。
東洋医学の考え方や神経や筋肉など現代医学に基づき、体のバランスを整えながら「自然治癒力」を高めることを目的としています。

国家資格を持つ「はり師」「きゅう師」が施術を行うため、専門的な知識に基づいたケアが受けられます。

鍼灸院で受けられる主な施術

鍼治療(はりちりょう)

鍼治療:細い鍼でツボを刺激して筋緊張や痛みを和らげる

髪の毛ほどの細い鍼でツボに刺激を与えます

髪の毛ほどの細い鍼を体のツボ(経穴)に刺して刺激します。
筋肉の緊張を和らげる、血流を促す、痛みやしびれの軽減をサポートするなどの作用が期待されます。

痛みはほとんどなし
使い捨ての極細鍼を使用。刺したときの痛みはほぼありません。まれに痛みがありますが、イメージとしては髪の毛を1本引き抜いた時に感じる「チクっ」とした痛みが一瞬ある程度です。

対応できる症状
肩こり・腰痛・神経痛・頭痛・冷え・不眠・自律神経失調症・不妊症など様々な症状に対応できます。

灸治療(きゅうちりょう)

お灸:もぐさの温熱刺激で血行促進と冷えの緩和を目指す

もぐさの温熱刺激で血行を促します

ヨモギの葉を乾燥させた「もぐさ」を使い、温熱刺激を与えます。
血行を良くし、冷えや疲れの緩和を目指したり、健康維持のサポートとして用いられることがあります。

灸の種類
直接皮膚に置くタイプから、間接的に温めるタイプまであります。
当院では上の画像のような火が直接皮膚に接しないお灸を使いますので、やけどの心配はありません。

鍼と灸の使い分け

鍼と灸の使い分け:症状や体質に応じて選択・併用するイメージ

鍼とお灸は、それぞれの特徴を活かして使い分けたり、併用することでより高い効果を目指すことが多いです。
一般的には「筋肉や神経のこわばりには鍼」、「冷えや血流の滞りにはお灸」といったように、症状や体質に応じて選ばれます。

鍼と灸の使い分け(目安)
施術 得意とする作用 目安となる症状
鍼(はり) 筋肉や神経への刺激でコリや痛みをやわらげる 肩こり・腰痛・頭痛・神経痛
灸(きゅう) 温熱で血流を促し、冷えや疲労を緩和する 冷え性・むくみ・胃腸の不調・不眠

鍼灸院で対応できる主な悩み・症状

鍼灸院で対応できる悩みや症状は様々ありますが、ここでは代表的なものをご紹介します。

鍼灸の適応例とサポートの方向性
お悩み・目的 鍼灸で期待できるサポート
肩こり・腰痛・神経痛 慢性的な筋肉のコリや炎症、神経の過敏を和らげる
自律神経の乱れ・免疫疾患 自律神経や免疫機能のバランスを整える作用がある
冷え・むくみ・ホルモンの乱れ 血流促進や内分泌のバランスをサポート
体質改善や美容目的 肌質改善、リフトアップや代謝サポート

鍼灸は肩こりや腰痛といった整形外科的な不調だけでなく、神経痛や頭痛、自律神経の乱れ、消化器系の不調、さらには婦人科疾患など幅広い分野で活用されています。

WHOは1979年に鍼灸の適応症として43疾患を列挙し、1993年には50疾患へと拡大したと報告されています。以下は国内学術誌における二次的記述(レビュー)に基づく紹介です。


(出典:矢野 忠, 日本温泉気候物理医学会雑誌, 71(4), 250-256, 2008)

そのため「慢性的な不調で薬に頼りたくない」「自然な方法で体を整えたい」という方にとっても、鍼灸は安心して取り入れられる選択肢のひとつです。

鍼灸院は整骨院やマッサージと何が違う?

「鍼灸院と整骨院・接骨院、マッサージ店(リラクゼーションサロン)ってどう違うの?」とよくご質問をいただきます。
名前が似ているので混同されやすいのですが、実際には施術の目的や内容、施術者の資格などが大きく異なります。

鍼灸院はツボや経絡に鍼やお灸で働きかけ、体の深部までアプローチできるのが特徴です。整骨院・接骨院は捻挫などによる外傷の治療や関節・筋のリハビリが中心で、マッサージ店(リラクゼーションサロン)はコリをほぐし、癒しや気持ちよさを重視しています。

違いをまとめると、次の表のようになります。

鍼灸院・整骨院(接骨院)・マッサージ店(リラクゼーション)の違い
区分 鍼灸院 整骨院・接骨院 マッサージ店(リラクゼーション)
施術方法 ツボや経絡に鍼やお灸で直接アプローチ。深部の筋肉や神経までケアできる。 捻挫や関節・筋の機能回復を目的に手技・物理療法を行う。 手技によるもみほぐし等でリラクゼーションを提供。
目的 不調改善・根本ケア・体質改善 外傷の治療・機能回復 リラックス・癒し重視
資格 はり師・きゅう師(国家資格) 柔道整復師(国家資格) 国家資格がない場合も多い
特徴 ツボ・経絡+筋骨格・神経に基づく専門的アプローチ 外傷対応やリハビリに特化 コリをほぐし気持ちよさ重視(治療より癒し目的)

鍼灸の安全性と副作用について

  • 使い捨て鍼を使用 → 感染リスクはほぼゼロ
  • 副作用は少ない → 施術後にだるさや眠気が出ることはあるが一時的
  • 妊娠中、持病で服薬中や通院中の方は、施術前に必ずお知らせください。

まとめ|鍼灸院は「症状改善+体のバランス調整」が得意

鍼灸院は、肩こりや腰痛などの痛み緩和はもちろん、自律神経や体質の調整、美容まで幅広い目的で通える施術院です。
国家資格者による専門的なアプローチが受けられるため、慢性的な不調の改善を目指して、継続的に鍼灸を取り入れる方も多いです。

初めての方は、症状や不安を相談できる鍼灸院を選ぶと安心です。

この記事を書いた人

この記事の執筆者:医学博士・鍼灸師 箱嶌大昭

医学博士・鍼灸師 箱嶌大昭(はこしま ひろあき)

東洋医学の本場、中国・北京にて日本人初の医学博士を取得後、福岡・天神にて「中国鍼灸院 箱嶌医針堂」を開業。福岡県内をはじめ、九州各県から多くの患者が来院。肩こり、腰痛など日常的な症状から慢性的な神経痛、自律神経失調症、難病などの鍼灸治療を行っている。

「鍼灸治療は様々な症状に対応可能です、まずはお気軽にご相談ください」
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